ヴイエムウェア、「Workspace ONE」を機能強化--データ集約と自動化が容易に

藤本和彦 (編集部)

2018-03-23 12:51

 ヴイエムウェアは3月22日、デジタルワークスペース製品「VMware Workspace ONE」の機能強化を発表した。デジタルワークスペース全体での情報の統合と自動化を実現する新サービス「Workspace ONE Intelligence」が目玉となる。

 Workspace ONEは、エンタープライズモビリティ管理(EMM)製品「VMware AirWatch」とID管理製品「VMware Identity Manager」の機能がセットになったもの。デバイスを問わず、さまざまなアプリケーションを簡単かつ安全に提供・管理できる統合プラットフォームだ。

 Workspace ONE Intelligenceは、ユーザー、アプリケーション、ネットワーク、エンドポイントのデータを収集・関連付けることで、デジタルワークスペース全体を可視化する「インサイト」、ユーザーの使用環境に影響を与える可能性がある問題を迅速に解決する「アプリケーション分析」、ワークフローの自動化によって効率性を向上する「オートメーション」の3つの機能が特徴となっている。

 アプリケーションの性能監視や導入状況、ユーザーの振る舞いなどを含む業務環境の問題点をピンポイントで特定すると同時に、IT部門や開発者の意思決定を支援するための具体的な推奨プランを提供する。環境全体から取得したパラメータに基づいて処理を実行するルールを定義し、プロセスを自動化する意思決定エンジンを備える。例えば、ServiceNowやSlackといった外部サービスを含むワークフローなど、業務環境全体にわたる処理を自動化するためのルールを作成することも可能だ。

 Workspace ONE Intelligenceは2018年5~7月に一般提供を開始する予定。利用するには、Workspace ONE Enterpriseエディションが必要となる。

 ユーザー体験向上とともに、ネットワーク内外の境界線が不明確な環境全体に対して予測に基づくセキュリティを提供する仕組みが「VMware Workspace ONE Trust Network」だ。Carbon Black、CrowdStrike、Cylance、Lookout、McAfee、Netskope、Symantecの7社のセキュリティ製品とWorkspace ONEをAPIでつなぎ、Workspace ONEで集めたデータや分析結果を活用できる。

 また、システム構成管理ソフト「Microsoft System Center Configuration Manager(SCCM)」とWindows 10搭載PCの共存管理ができるツール「VMware Workspace ONE AirLift」を発表した。デバイス登録やパッチ適用、ソフトウェア配布、ユーザーサポートなどのPCライフサイクル管理(PCLM)に関するワークロードやタスクをWorkspace ONEに移行することができる。

 Workspace ONEの機能強化としては、この他にも「Horizon Cloud on Azure VDI」のベータ版やmacOS用新クライアントの提供、Office 365 Graph APIを活用したセキュリティ強化、モバイルメールアプリ「VMware Boxer」向け新機能「Workspace ONE Mobile Flows」も明らかにされた。

本田豊氏
ヴイエムウェア チーフストラテジスト 本田豊氏

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