ヴイエムウェア、新エッジコンピューティングソリューション発表--IoT強化へ

Conner Forrest (ZDNET.com) 翻訳校正: 矢倉美登里 吉武稔夫 (ガリレオ)

2018-03-01 13:34

 VMwareはバルセロナで開催中のMobile World Congress(MWC)で現地時間2月28日、法人向けモノのインターネット(IoT)の新たな展開として、資産管理やスマート監視のユースケースに対処する新しいエッジコンピューティングソリューションを多数発表した。

 プレスリリースによると、これらのソリューションは、Axis CommunicationsやWipro Limitedなど業界大手との連携を通じて開発が進められるという。エッジコンピューティングに的を絞ることにより、VMwareのソリューションは、IoTの導入によって生成されるデータを法人ユーザーが安全かつ効率的に利用しやすくしてくれるかもしれない。

 VMwareサイドから見ると、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)ソフトウェアの「VMware vSAN」や、「VMware vSphere」「VMware Pulse IoT Center」が新しいソリューションの一翼を担うことになる。現時点でこれらのソリューションは、工業や製造業のほか、実店舗を構える一部小売店などの特定のニーズに対処する。

 VMwareのプレスリリースに引用されているGartnerのデータによれば、「2022年までに、デジタル化された事業プロジェクトの結果として、法人が生み出すデータの75%は従来型の一元的データセンターやクラウド以外の場所で生成および処理されるようになり、現在の10%未満から増加する」という。

 IoTの導入では、現場で導入する場合は特に、数km離れていることもある従来型データセンターでは実行が不可能なオンサイトでの分析が必要なことが多い。そのため、事業担当とIT担当のリーダーは、現地で分析するためのソリューションを用意する一方で、セキュリティやコンプライアンスの要件についても責任を負わなければならない。

 特定用途のソリューションが合計3種類発表された。まず、VMwareはHCIをエッジにもたらすソリューションに取り組んでいる。プレスリリースによると、このソリューションは、VMware Pulse IoT CenterとHCIツールを利用して、IoTデバイスが収集したセンサデータを元に、エッジでリアルタイム分析を行うという。同社は、サードパーティー製分析キットの提供で業界パートナーと協力するとしているが、どの企業が関わるのは明らかにしていない。

 またVMwareは、Axis CommunicationsやDell EMCと連携し、IoTベースのスマート監視ソリューションに取り組んでいる。Axis Communicationsがハードウェア(ネットワークカメラ、ルータ)を提供し、Dell EMCが「Dell EMC」サーバや「Dell Edge Gateways」を通じてコンピューティングに対応するという。ソリューションは、VMware Pulse IoT Centerで管理される。

 プレスリリースによると、「このほか、VMwareは金融サービス組織と連携し、監視によってセキュリティと顧客体験を最適化する最新の未来型銀行を開発中」という。

 VMwareは、Wipro Limitedと協力して、メーカー向けの資産追跡ツールもリリースする。Wipro Limitedの資産管理プラットフォーム「Looking Glass」などをVMwareの「IoT Edge」ソリューションと統合し、資産やデータの追跡や事前障害分析(PFA)を実現する。

 「作業現場にある機械などの資産の効率と生産性が向上することで、メーカーに大きな利益がもたらされる可能性がある」とVMwareは述べている。

 VMwareはさらに、MWCで米国立科学財団(NSF)とともにエッジコンピューティング研究の支援に向け約600万ドル相当の提供を約束した。

IoT

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]