IDC Japanは3月28日、2017年の国内サーバ市場動向を発表した。これによると、市場規模は前年比4.5%増の4698億円で、出荷台数は同0.6%減の51万5000台であることが分かった。
国内サーバ市場の推移:2013~2017年(出典:IDC Japan)
IDC Japanによると、2017年の国内サーバ市場は2年ぶりに前年比プラス成長となった。その要因として、全サーバ出荷額の約7割を占めるx86サーバの出荷額が2年ぶりに前年比プラス成長となったことを挙げている。また、メインフレームの出荷額が4年ぶりに前年比プラス成長になったことを指摘している。
x86サーバの出荷額は同5.3%増の3579億円。クラウドサービスベンダーや企業のデータセンター向けのサーバ出荷が好調だった。クラウドサービスベンダーへのサーバ出荷が増加しているのは、ユーザー企業でコンピュート処理をクラウドサービスに代替するケースが増加していることが背景にあるという。
なお、クラウドサービスベンダーを主な出荷先とするODM Directの出荷額は前年比45.1%増の468億円だった。ODM Directを除いたx86サーバの出荷額は同1.1%増の3111億円。企業のデータセンター(DC)に設置されることが多い2ソケットラックマウントサーバの出荷が好調だった。
メインフレームの出荷額は前年比12.3%増の763億円。2016年は更新需要が一巡し2桁のマイナス成長となったが、2017年は金融、官公庁、製造の基幹系システムの更新需要があり2桁のプラス成長となった。
その他のサーバは前年比14.9%減の356億円。ミッションクリティカル用途などの更新需要はあったが、更新を機に機器のダウンサイジング、x86アーキテクチャやクラウドサービスへの移行、もしくはこれらの検討のために更新時期を延伸したことなどがマイナス成長の要因であったとIDCは見ている。
またベンダー別では、出荷額で富士通、出荷台数でNECが首位を獲得した。出荷額トップの富士通は、メインフレームが金融での更新需要で2桁のプラス成長を記録。x86サーバが前年の大口案件の反動などでマイナス成長、その他のサーバは2桁のマイナス成長だった。出荷額2位のNECは、x86サーバが前年の大口案件の反動でマイナス成長、メインフレームとその他のサーバが2桁のマイナス成長となった。出荷額3位の日本ヒューレット・パッカード(HPE)は、x86サーバがクラウドサービスベンダーや企業のデータセンター向けの大口案件などで2桁のプラス成長、その他のサーバがマイナス成長だった。出荷額4位は前年から順位を一つ上げたIBMで、これにデルが続いた。
2017年 国内サーバ市場ベンダーシェア【出荷額】(出典:IDC Japan)
※HPEの出荷実績には日本SGIの出荷実績を含む
出荷台数の上位は、NEC、富士通、HPE、デル、日立製作所の順となった。なお、ODM Directの出荷台数は同33.7%増で、3位のHPEに次ぐ規模だった。