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記事まとめ「テレワーク常態化で見えたこと」

RPAを成功に導く、フェーズごとの「要検討」要素とは何か

吉澤亨史

2018-04-16 06:00

 RPA(Robotic Process Automation)は、2017年から国内でも注目され始め、導入事例も急速に増加している。現状ではPoC(技術検証)やパイロットから着手する企業が多い。EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングが3月2日に開催したセミナー「事例からみるRPA導入のポイントと今後の展望」では、RPA導入における成功例や失敗例、その先の展開や運用に必要な検討や準備などが紹介された。ここでは、同社パートナーの高見陽一郎氏によるセッションをレポートする。

2017年のRPA市場は導入フェーズが大半


EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング パートナーの高見陽一郎氏

 高見氏はまず、2017年のトレンドとして日本のRPA市場を振り返り、6つの傾向を取り上げた。1つ目は、段階としてはPoCが中心で、「RPAツール導入の具体的な効果のトライアル」「RPAの自社業務(システムを含む)への適合性の確認」「社内のサクセスケースの作成」といった目的が多かった。ただし、最近はスタートからプロダクトを載せる前提で取り組むケースが多いという。

 2つ目は、PoCなど導入を試行した企業の多くが「RPAの導入に成功した」と考えており、その効果を実感していたという。3つ目としては今後RPAの拡張を検討しており、4つ目はIT部門よりも業務部門が導入を主導するケースが多かったことを挙げた。5つ目は、導入が限られた範囲でのスモールスタートが多く、対象部門や予算が限定的だった。6つ目には、定型作業の支援を目的とした適用が多く、RPAよりもRDA(Robotic Desktop Automation)としての使用が多かったことを挙げている。

RPA導入で検討すべき項目と想定されるリスク

 そして高見氏は、これからRPAの導入を始める企業がプロジェクトで検討すべき要素と阻害要因、顕在化するリスクについて、「プロジェクト開始前」「RPA導入中」「RPA本格稼働後」の3つのステージから、それぞれ説明した。特にポイントとなる検討要素は、プロジェクト開始前のステージでは「導入効果の考え方」、RPA導入中のステージでは「多部門展開・全社展開」、RPA本格稼働後のステージでは「RPAガバナンス(体制・ポリシー・プロセス」がある。


プロジェクトにおいて検討すべき要素と阻害要因、顕在化するリスク(出典:EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング)

 また、導入効果についてRPAの場合は、定量と定性の両面があるとした。定量の効果としては「業務の効率化」「将来発生するコストの回避」があり、定性の効果には「代替業務からの価値創出」「業務品質の向上(エラー削減)」「業務統制の強化」「業務見直しの契機」などがある。これらは金額と工数が全く違い、単純な割り算にならないと指摘する。投資に対する効果――「効果の多様性などから、ROIの計算だけを追いかけることはあまり意味がない」とした。


RPAの導入効果は定量と定性の両面がある(出典:EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング)

 多くの部門や全社への展開については、まず組織がすべきこととして、「トップマネジメントのコミットメント」「ミドルマネジメントの巻き込み」「RPA導入を業務改善の契機に」を挙げ、「RPAに限らず、トップとミドルの巻き込みがキーになる」(高見氏)とした。一方、組織がすべきでないことには「ボトムアップのみの拡張」「目的が不明確なRPA導入」「業務部門のみによる導入」があり、これではRPAの展開や連携には至らず、“導入のための導入”で終わってしまうとしている。

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