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ガートナー「AIがビジネスの成否を分ける」--なぜITがAIを学ぶのか - (page 2)

末岡洋子

2018-05-15 07:30

 機械学習は精度レベルが低いことから、深層学習を用いる必要があるケースがある。深層学習の場合、たくさんのデータがトレーニングに必要であり、データの品質も重要になる。中国ではニューラルネットワークを使って顔認識を行うに当たって、10億のイメージを用いていることなどを例に挙げながら、「深層学習を現在のデータセンターで実行しようとしてもうまくいかないだろう」とDekate氏、Google、Baidu、AlibabaなどはGPUを用いているとした。


機械学習と深層学習ではデータの量、コンピュートの要件が異なってくる。

 このように、AIについてある程度深い知識が求められているとDakete氏は繰り返す。「ITリーダーが理解しているかどうかが事業部門に影響する。現在のITは売り上げから予算を得る”コストセンター”だが、成功している企業ではITが事業部門とパートナー関係になり、新しい成長サイクルを生む存在になっている」。

 AIでやるべきことは、1)インフラ管理の自動化にAIを活用する、2)事業部と組み新しいイニシアティブを実現する、だ。

 具体的なアドバイスとしては、AIに対応したI&O管理ツールを使うこと、新たにAIスキルを習得するために再トレーニングを行うこと、AIのユースケースを活用してインフラを選定すること、だ。最も重要なのは「小さく始めること」という。Dekate氏は「最初から全てのデータソースを統合するのは不可能。最初からGPU搭載の高価なハードウェアを購入して、エンドユーザーに使ってもらおうと期待するのも間違い」と述べる。複数の小さなプロジェクトを平行して進めながら、自社の文脈に合うものを検証し、合わないならやめ、合うなら組織全体に拡大するというアプローチを推奨した。

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