Microsoftは米国時間5月21日、ネバダ州ラスベガスで開催中の「SharePoint Conference North America」の基調講演で「SharePoint spaces」のプレビュー版とともに、「SharePoint」と「OneDrive」に搭載予定の人工知能(AI)関連の機能強化について発表した。これは、自社製品すべてに複合現実(MR)やAIの能力をもたらすという同社のコミットメントの表れと言えるだろう。
SharePoint spacesを使うことでSharePointユーザーは、データや製品モデルを視覚化し、それとやり取りできるMRの3次元「空間」(spaces)を作成、消費できるようになる。
提供:Microsoft
ユーザーは、MRのSharePoint spacesを閲覧/操作する際に拡張現実(AR)型ヘッドセットである「Microsoft HoloLens」や、他の形式のヘッドセット「Windows Mixed Reality」を使うことができる(ただ、ヘッドセットは必須ではない)。なおMicrosoftは、SharePoint spacesの設計に際し、ヘッドセットを使用しなくてもブラウザを用いて閲覧/操作できるようにしている。
Microsoftは、SharePoint spacesを利用するシナリオとして、人材募集や人材定着プロセス、製品開発、訓練/学習などが考えられると述べた。これらのシナリオすべては、同社がHoloLensやMRの法人向けアプリケーションに力を注いでいるという姿勢の一端を垣間見せるものともなっている(同技術は当初、コンシューマー向けアプリケーションとして展開されていた)。
同社は、SharePoint spacesを「Office 365」の商用プランを使用しているユーザーに対するオプションにする計画だ。ユーザーは、MR環境を作成するためのテンプレートに対して、SharePointに格納されている2Dファイルや3D動画、ドキュメント、その他のデータを追加し、作業を進めていけるようになる。なお、顧客やパートナーは、同日よりSharePoint spacesの初期限定プレビューへの参加を申請できる。
またMicrosoftは、モバイルアプリ「OneDrive」に「Scan」ボタンを追加する予定だ。これにより、同アプリを使用するユーザーは写真や画像、ホワイトボード上の内容、名刺をすぐさま取得できるようになる。またビジネスユーザー向けの設定として、撮影した写真を自動的にOffice 365にアップロードすることも可能になる。さらにOffice 365に格納された写真は、AI機能によって撮影日時/場所の特定や、物体の認識、テキスト抽出が可能になるほか、保存した複数の写真から特定のイメージを検索するといったことも可能になる。
Microsoftは同日、6月から「SharePoint Server 2019」のパブリックプレビュー版の提供を開始すると述べた。
なお同社は以前に、SharePoint Server 2019の一般提供を2018年末までに開始すると述べていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。