Googleは2017年7月に「Google Glass」の復活を発表した際、拡張現実(AR)に現実の市場があることを示した。それは法人向け市場だ。General Electric(GE)やDHLなどの大手顧客が既に「Google Glass Enterprise Edition」を試験的に導入していることを明らかにした。
これまでコンシューマー向けのエンターテインメントなどの分野で注目されることが多かったARに、多くの企業が関心を寄せている。米ZDNetの姉妹サイトTech Pro Researchが2016年に実施した調査によると、回答者の39%が既に自社にARを導入しているとしており、まだ導入していないとした回答者の67%も導入を検討中だと答えた。IDCは法人セグメントにおけるARヘッドセット出荷台数が、2016年の11万1000台から2021年までに2000万台以上に増えると予想している。年平均成長率(CAGR)で184%にもなる。さらに、2021年のARヘッドセット市場に占める法人セグメントのシェアが83%に達すると予想している。
GEにおけるGoogle Glassの利用事例からは、ARがいかに成熟し、企業にとって成果の期待できる投資対象になったのかが見て取れる。Microsoftも「Mixed Reality」(複合現実)として、ビジネス分野での活用の可能性に注目しており、「HoloLens」や「Windows Mixed Reality」対応デバイスを利用したソリューションを実現するためのパートナープログラムを展開している。GoogleのARやMicrosoftのMR技術などが企業で採用され、製造業や建設業をはじめとする現場で活用されている事例の記事をまとめた。