Googleが7月、ウェブブラウザー「Google Chrome」において、サードパーティークッキーを廃止する方針を撤回した。サードパーティークッキーとは、ウェブサイト訪問時に、訪問したウェブサイトとは異なるドメインによって設定されるクッキーを指す。これに対して、訪問したウェブサイト自身が設定するクッキーを「ファーストパーティークッキー」と呼ぶ。
サードパーティークッキーは、広告ネットワークにおいて、ネットユーザーのウェブサイト訪問履歴を追跡し、そのデータを基に興味や行動に基づいた広告を表示する、いわゆるターゲティング広告に利用される。ユーザーのウェブブラウジング行動を追跡するために使用されるため、プライバシーの懸念が取り沙汰されており、多くのウェブブラウザーは、既定値でサードパーティークッキーを外す方向に進んでいる。
Chromeブラウザーも同様にサードパーティークッキーを段階的に廃止する方針で、Googleは、2019年8月から代替技術として「プライバシーサンドボックス」プロジェクトに取り組んできた。
Googleは今回、廃止方針を撤回し、ユーザーが選択できる新たな方針に変更すると発表した。今後の焦点は、「ユーザーが選択する仕組み」をどのように実装するのかになってきそうだ。具体的には、既定値としてサードパーティークッキーがオンとオフのどちらになるかが鍵を握るとの指摘がある。既定値でオフならば、それを変更しようというユーザーが多いとは見込めないため、廃止したのとあまり変わらない状況になるかもしれない。
一転して廃止が撤回されたサードパーティークッキーの動向について、伝える記事を集めた。