Microsoftは台湾の台北で開催中の「COMPUTEX 2018」で現地時間6月6日、「Windows 10 IoT Core Services」を発表した。これは、以前から無償で提供されている「Windows 10 IoT Core」を補完する有償サービスだ。
Microsoftによると、Windows 10 IoT Core ServicesはセキュアなIoTデバイスを製品化したいと考えているパートナーに向けたサービスだという。
Windows 10 IoT Coreは「Windows 10 IoT Enterprise」とともに、「Windows Embedded」の後継である「Windows 10 IoT」を構成するエディションだ。各エディションがサポートしている機能について以下に簡単に述べておきたい。
Windows 10 IoT Coreでは、SAC(Semi-Annual Channel:半期チャネル)を選択しているユーザーに対して1年に2回のアップデートによって新機能が提供される一方、Windows 10 IoT Core Servicesでは機能アップデートは提供されず、セキュリティアップデートのみが提供される。Microsoftはこれにより、Windows 10 IoT Coreが10年間のサポートを提供するLTSC(Long-Term Servicing Channel:長期サービスチャネル)リリースになると説明している(Windows 10のLTSCリリースの場合、同社は通常、10年間サポートされるLTSCを2~3年毎にリリースしている)。
2月に発表されているように、今秋に公開される予定のWindows 10 IoT EnterpriseリリースからLTSCオプションが提供されるため、ユーザーは定期的な機能アップデートを適用しなくても済むようになる。
Windows 10 IoT Core Servicesは、最近発表された「Device Update Center」(DUC)もサポートしているため、ユーザーはデバイスのアップデートを作り出し、カスタマイズし、統制できる。なお、アップデートはOSやデバイスドライバ、OEM固有のアプリやファイルに適用することができる。
また、Windows 10 IoT Core Servicesでは「Device Health Attestation」(DHA)によって、「ハードウェアレベルで証明されたセキュリティ」を、個別のクラウドサービスを介したデバイスの信頼性保証によってさらに強固にできる。
Microsoftは同社ブログへの投稿に、「これらの機能によりユーザーは、Windows 10 IoT Coreを搭載したデバイスを製品化し、『Windows』と同等レベルとなるエンタープライズグレードのセキュリティとサポートを実現できる」と記している。
Windows IoT Core Servicesは現在、「限定プレビュー」段階となっている。限定プレビューに参加するには、iotservices@microsoft.com宛てにメールを送信すればよい。また、2018年7月より対象範囲を広げたプレビューが開始され、2018年中に一般提供が開始されるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。