ガートナー ジャパンは6月12日、データ活用に関する調査結果を発表した。
データ活用の専任組織あるいは専任の担当者を設置している企業は、全体の約3割であることが分かった。
データ利活用の専任組織あるいは専任担当者の設置に関する状況
この調査は、従業員数20人以上の日本企業を対象として実施したもので、調査時期は2017年10〜12月。回答者はユーザー企業のITリーダーで有効回答数は721。
一方で、30%もの企業が専任組織の必要性を感じておらず、設置を計画・検討中とした企業もわずか2%にとどまった。また、その必要性を感じていながら未設置であると回答した企業の割合は、設置している企業を上回る39%だった。
社内のデータを活用する際に必要とするデータ (種類・量) を提供できているかについては、46%の企業が提供できていると回答している。しかし、情報ガバナンスの整備については、できているとする割合が14%だった。
社内のデータ提供環境において、ユーザーが必要とするデータを提供できているか
さらに、データ品質の維持・改善については、過半数となる54%が、これに特に取り組んでおらず、取り組みを行っている企業でも、その多くが手作業による改善を行っている。
データ品質の維持・改善のための取り組み (複数回答可)
海外では既に最高データ責任者 (CDO) とデータ活用の専任組織がメジャーな存在となっているが、今回の調査で専任のCDO(Chief Digital Officer)がいると回答した日本企業はわずか1%で、「兼任で設置している」「近い役割の役員がいる」と回答した企業の割合を合計しても20%に満たないことが分かった。またCDOを知らない企業が25%も存在し、取り組みが進んでいないだけでなく、認知度も低い状況だという。
ガートナーでは、データとアナリティクスに携わるITリーダーは、経営層やビジネスリーダーにデータの重要性や価値を説いて意識改革を促し、組織づくりや人材育成を支援する重要な役割を担うとしている。