ガートナーは、2019年までにビジネスユーザーがセルフサービスツールを用いて生成する情報分析の量が、専任のデータサイエンティストが生成するものを上回るとの見解を発表した。
同社は、専門職ではない一般のユーザーが行う「セルフサービス・アナリティクスとBI(ビジネスインテリジェンス)の基盤」を築くために必要な4つのポイントとして、「組織の目標に沿ってセルフサービス・イニシアティブを推進すること」「セルフサービスの設計、開発、サポートへのビジネスユーザーの関与を促すこと」「データガバナンスには手軽で柔軟なアプローチを取ること」「訓練プランを作り、ビジネスユーザーをガイドすること」――を挙げている。
「セルフサービス・イニシアティブを推進すること」については、アナリティクスとBIにセルフサービス・アプローチがもたらす価値を測定することが重要だという。これは、セルフサービス・アプローチの効果を周知するとともに、その成果と成功事例を自社のビジネスに直接結び付けることによって行う。
ビジネスユーザーの関与については、ITチームとビジネスユーザーの間に信頼関係を築き、これを維持することが前提になる。組織的なコラボレーションのプロセスを進めていくことで、ITチームとビジネスユーザーがセルフサービス環境の構築を成功させるために互いに何を求めているのかを理解できるようになることが重要だという。
データガバナンスについては、厳格で柔軟性に欠けるイニシアティブが利用を阻害する要因となる。ITリーダーは、セルフサービスの成功と拡大を実現する、ガバナンスの最適なバランスを見い出さなければならないという。セルフサービス・ユーザーの自由な分析処理を可能にし、それをサポートする十分な柔軟性を備えているかが重要だとする。
ビジネスユーザーへのガイドついては、データとアナリティクスのリーダーが、ビジネスユーザーに短期間でセルフサービス環境を利用できるようにさせるだけでなく、ツールによって個々の具体的なビジネスの問題に対処する方法を適切にガイドすることが大切だという。訓練プランによってこのプロセスを標準化し、効率的に運用することで、社内全体にセルフサービスが普及していくのをサポートできるようになると解説する。