中国の検索サービス大手である百度(Baidu)は現地時間7月3日、人工知能(AI)関連の処理向けの新しいプロセッサ「Kunlun」(崑崙)を発表した。同社によると、このプロセッサはデータセンターおよびエッジにおけるワークロード双方の取り扱いに長けているという。なお、Kunlunには「818-300」という訓練チップと、「818-100」という推論チップが含まれている。
百度によると、同社は2011年からFPGA(Field Programmable Gate Array)によるAIアクセラレータの開発を進めており、KunlunはFPGAベースのアクセラレータに比べると、30倍近く高速だという。また、このチップはサムスンの14ナノメートル(nm)プロセスを用いて製造されており、メモリ帯域幅は512GB/sであり、100ワット(W)の電力消費時において260TOPS(1秒あたり260兆回の演算処理)が可能だという。
同社は、「(Kunlunは)百度のAIエコシステムを活用している。このエコシステムには検索ランキングのようなシナリオや、同社の深層学習(DL)フレームワーク『PaddlePaddle』が含まれている」と述べた。
また同社は、「Kunlunチップは一般的なオープンソースのDLアルゴリズムのサポートに加えて、音声認識や、検索ランキング、自然言語処理(NLP)、自動運転、大規模リコメンデーションなどのさまざまなAIアプリケーションをサポートできる」とも述べた。
米国は4月、ZTEに対する米国製部品の供給を7年間にわたって禁止する措置を発表した。この措置は最終的に米政府によって撤回されたものの、こういった脅威を考えた場合、中国は国内でのプロセッサ製造にさらなる力を注ごうとしているはずだ。
また同日、百度の小売業者向けの新しいAIカメラ「Xeye」に、Intelの視覚処理ユニット(VPU)「Movidius」が搭載されると発表された。
さらに百度は同日、日本市場向けの自動運転バス「Apolong」に関して、ソフトバンクグループのSBドライブ、およびバス車両メーカーの厦門金龍聨合汽車工業と協業することを発表した。2019年初期までにApolong10台を日本に持ち込む予定という。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。