NTTデータは7月20日、金融勘定系システムの提供基盤の拡大に向けた取り組みで、オープン基盤環境での技術検証が完了したと発表した。FinTech企業との連携強化など新たなサービスの実現における1つのステップをクリアした。
同社は、金融機関がFinTechの台頭などの経営環境の変化に対応できるよう、メインフレームで稼働している金融勘定系システムの提供基盤の拡充に取り組む。
オープン基盤はその選択肢の1つで、FinTechベンチャーなどとの容易な連携という点から必要性があるといい、2017年度から同社の標準バンキングアプリケーション「BeSTA」を用いた性能面などの実現可能性の確認を含む主要な課題に関する技術検証を進めてきた。BeSTAは日立製作所および富士通のメインフレームで提供されており、今回の技術検証も日立と富士通のオープン基盤環境で実施された。検証が完了したことで、今後は金融機関がこの基盤を選択できるようになる。
同社は、提供ラインアップに複数のオープン基盤を準備すると説明。メインフレームの機能を最大限に実装する移行性を重視した基盤や、オープンソースなどを活用して最新技術に追随できる基盤など、クラウドも含めた広範なアーキテクチャへの適用性を重視した基盤を準備するとし、メインフレームと同等の高信頼性を確保し、ロードシェア構成などによる高可用性も確保するという。
今後は金融機関の顧客に加え、メインフレームを利用する企業・組織への提案に向けた検討を進めるとしている。
勘定系システムの基盤拡大に向けたロードマップイメージ(出典:NTTデータ)