日本IBMは4月19日、メインフレームの新型機「IBM z14 Model ZR1」と「IBM LinuxONE Rockhopper II」に関する記者会見を開いた。新型機は同月10日に発表済み、5月31日に工場出荷を開始する。
左:z14 Model ZR1、右:LinuxONE Rockhopper II(出典:日本IBM)
IBM z14 Model ZR1は、メインフレーム「IBM z14」シリーズのエントリモデル。業界標準の19インチラックを採用しており、z13sと比べて設置面積を40%削減している。データセンターなどへの配備が容易となる。ラック内には16U分の空きスペースがあり、管理コンソールやスイッチ、ストレージ装置などを収納できる。
ディスク上や通信中の全てのデータをハードウェアで暗号化する。1日当たり8億5000万件の暗号化処理が可能だとしている。機械学習プラットフォーム「IBM Machine Learning for z/OS」も備え、「メインフレーム上に存在する基幹データをそのまま活用して、機械学習からリアルタイムに洞察を得られる」(日本IBM 執行役員 サーバー・システム事業部長 池田恵美子氏)
処理装置(PU)の数は、4、12、24、30の単位で選択が可能。メモリ容量は最小64Gバイト~最大8Tバイト。
LinuxONE Rockhopper IIは、Linuxサーバ「LinuxONE」のエントリモデル。企業向けクラウド基盤として新規顧客の獲得を狙う。ハードウェア構成はz14 Model ZR1と共通となっている。ソフトウェア構成はオープンソースソフトウェア(OSS)を中心としている。
最大33万個のDockerコンテナを管理でき、MongoDBを最大6.5Tバイトまでスケールアップ可能という。「1日当たり580億件のデータベース処理に対応」(池田氏)する。
販売戦略としては、新規顧客獲得のための専任組織を4月1日に新設。メインフレームの新たな活用を推進するほか、学生向けプログラミングコンテストの実施などを通じてメインフレームのスキル育成に取り組んでいく。