海外コメンタリー

Linuxから「Windows」への移行を決めた独ニーダーザクセン州--批判の声も

David Meyer (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2018-08-01 06:30

 ドイツ連邦共和国のニーダーザクセン州は、同国のバイエルン州ミュンヘン市に続き、大量の公用コンピュータのOSをLinuxからMicrosoftの「Windows」に移行しようとしている。

 このニュースを最初に報じたドイツのHeiseによると、ニーダーザクセン州の税務当局では2006年に「Solaris」から円滑移行された1万3000台の「openSUSE」搭載ワークステーションが稼働しているという。それらのワークステーションが今回、Windowsの「現行バージョン」、おそらくは「Windows 10」へと移行されることになる。

 現場の作業員や電話サポートサービスは既にWindowsを使用しているため、Windowsへの統一は意味があることだというのが州政府の考えだ。税務当局のPCではopenSUSEのバージョン12.2や13.2が稼働しているが、どちらも既にサポートが終了しているため、いずれにせよ何らかのかたちでのアップグレードが必要となっている。

 ニーダーザクセン州の予算案によると移行費用として、次年度に590万ユーロ(約7億4600万円)が、それ以降の数年間に毎年700万ユーロ(約9億600万円)が計上されている。ただ、移行に何年かかるのかは明らかにされていない。

 同州財務局の広報担当者は、ドイツ各州の税務機関が使用するITシステムの標準化に向けて、10年以上前から取り組まれているプロジェクトに言及し、「既存ワークステーションの統合によって、KONSENSネットワーク向けのソフトウェア開発手続きの簡素化と円滑化が促進される」と述べた。

 同広報担当者は、ニーダーザクセン州における移行計画のタイムテーブルを提供するのは、現時点では時期尚早だとしたうえで、より詳細なフレームワークは作業の複雑さもあって、2018年末まで明らかにならないだろうと付け加えた。

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