「Red Hat Enterprise Linux 7.6」ベータ版リリース

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2018-08-23 11:15

 Red HatはLinuxの代表的企業であるだけでなく、クラウドの分野でも強大な存在になりたいと考えているようだ。そのことは、「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)7.6」の最新ベータ版を見れば明白だ。

 確かに、Linuxのセキュリティにも改善が施されている。それには、改善された「Hardware Security Module」(HSM)のサポートを提供するGnuTLSライブラリ、メインフレーム向けに強化されたOpenSSLなどが含まれる。さらに、RHEL 7.6は「extended Berkeley Packet Filter」(eBPF)を統合しており、Linuxカーネルのアクティビティを監視する、より安全で効率的なメカニズムを提供する。これによって今後のバージョンで、さらなるパフォーマンスの監視やネットワークトレースツールの利用が可能になる。

 しかし真の変化は、RHELをハイブリッドクラウドの展開により適したものにすることだ。例えばRHEL 7.6では、「Trusted Platform Module(TPM)2.0」ハードウェアモジュールを使用して、NBDE(Network Bound Disk Encryption)がハイブリッドクラウド運用向けに2層のセキュリティ機能を提供可能にしている。具体的には、ネットワークベースのメカニズムがクラウドで動作する一方で、オンプレミスのTPMはディスク上の情報をより安全な状態に維持できるようにする。

 RHEL 7.6では、「Podman」も導入された。PodmanはRed Hatの軽量コンテナツールキットの一部で、エンタープライズクラスのセキュリティ機能をコンテナに追加する。ユーザーがなじみのあるコマンドラインインターフェースでコンテナを実行、構築、および共有できるようにすることで、「Buildah」と「Skopeo」を補完する。さらに、「CRI-O」(軽量の「Kubernetes」コンテナランタイム)とも連携可能だ。

 Red Hatの製品およびテクノロジ担当プレジデントのPaul Cormier氏が述べていたように、ハイブリッドクラウドは標準的なテクノロジの選択肢になりつつある。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]