「Windows」タスクスケジューラに脆弱性--現時点で解消策なし

Charlie Osborne (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2018-08-29 17:09

 Microsoftは、「Windows」に存在する未知の脆弱性について公開されれば、素早く反応してきた。

 米国時間8月27日に、SandboxEscaperと名乗るTwitterユーザーが、Twitter上で脆弱性の存在について公開した。同ユーザーは、この脆弱性の概念実証コードが掲載されているとみられるGitHubのページへのリンクを公開している。

 8月28日には、今回の情報が公開されたことを受けて、CERT/CCの脆弱性アナリストWill Dormann氏がこの不具合について検証し、このゼロデイ脆弱性は「完全にパッチを適用した64ビット版のWindows 10システムで有効に機能する」と発言している

 今回の脆弱性は、Windowsのタスクスケジューラに存在する「Advanced Local Procedure Call(ALPC)」の処理の不具合によって、ローカルで権限が昇格される可能性があるセキュリティホールだと説明されている

 この脆弱性が悪用されると、ローカルユーザーがシステムの特権を獲得できる恐れがある。ALPCはローカルシステムであるため、影響範囲は限定的だが、ゼロデイ脆弱性が公の場で暴露されたことは、Microsoftにとって頭痛の種になっている可能性が高い。

 この脆弱性のCVSSスコアは6.4~6.8の間だと評価されている。現時点で解消策は不明だという。

 Microsoftはこのゼロデイ脆弱性の存在を認めている。

 Microsoftが定例外アップデートを行うと決定しなければ、この問題の修正は、9月11日に予定されている次回の月例パッチで提供されることになるとみられる。

 Microsoftの広報担当者は、米ZDNetの取材に対して次のように回答した。

 Windowsには報告されたセキュリティについて調査するという顧客に対する責務があり、影響を受けるデバイスに、できるだけ早く、積極的にアップデートを提供している。わが社の標準ポリシーでは、現行の月例セキュリティ更新プログラムを通じてソリューションを提供することになっている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]