マイクロソフト、9月の月例パッチ公開--Windowsタスクスケジューラの脆弱性も修正

Catalin Cimpanu (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2018-09-12 10:51

 Microsoftは米国時間9月11日、月例のセキュリティパッチ(「Patch Tuesday」)をリリースした。今回のパッチでは62件の脆弱性に対処している。そのなかには、8月にTwitterで拡散され、その後あるマルウェアキャンペーンで採用されたゼロデイ脆弱性も含まれている。

 今回のパッチは、「Microsoft Windows」や「Microsoft Edge」「Internet Explorer」「ASP.NET」「.NET Framework」、Edgeの「ChakraCore」コンポーネント、「Adobe Flash Player」「Microsoft.Data.OData」「Microsoft Office」「Microsoft Office Services」「Microsoft Office Web Apps」といった製品が対象となっている。

 62件の脆弱性のなかで最も重要なのは、「CVE-2018-8440」だ。これは、発覚当時の記事で詳細に解説されているように、既にシステムへの侵入を果たしているマルウェアや攻撃者が、Windowsのタスクスケジューラに存在する「Advanced Local Procedure Call」(ALPC)の脆弱性を悪用してシステムレベルでのアクセス権限を取得できるようになるというものだ。

 この脆弱性に関する詳細や実証(PoC)コードは、8月後半にTwitterで拡散された。その後、PowerPoolと呼ばれるサイバー犯罪者グループによるマルウェア拡散キャンペーンで利用されるようになったと報じられていた。

 パッチが提供されていなかった脆弱性で実際に攻撃が確認されているのはこれだけだ。しかし、パッチのリリース前に詳細が公開されてしまっていたセキュリティ脆弱性は他にもある。

 以下の3つの脆弱性についても、その詳細がオンライン上で公開されていたものの、同社によるとこれらを悪用した攻撃は確認されていないという。

  • CVE-2018-8409」 - 「System.IO.Pipelines」に対するサービス拒否(Denial of Service)攻撃を可能にする脆弱性
  • CVE-2018-8457」 - 「Scripting Engine」のメモリ破損脆弱性
  • CVE-2018-8475」 - Windowsにおけるリモートコード実行に関する脆弱性

 これら3つの脆弱性のうち、最初のものは「重要」(Important)と位置付けられている一方、2つ目と3つ目については「緊急」(Critical)と位置付けられている。

 なお、今月にパッチが提供された62件の脆弱性のうち、17件が「緊急」と位置付けられている。

 Microsoftは、自社製品に潜む脆弱性に対するパッチだけでなく、Adobe SystemsのFlash Playerに対する修正も含めている。このソフトウェアは、ユーザーのコンピュータにインストールされていることが多く、企業の環境でも普及している。

 Flash Playerに対するアップデートは、セキュリティアドバイザリ「ADV180023」を通じて実施されるとともに、今回の月例パッチにも含まれている。

Windows

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]