Antuitは9月21日、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに便乗するサイバー攻撃が波状的に行われる可能性があると発表した。9月初旬に最初の攻撃が発生し、攻撃者が「1万人に成功した」と主張しているという。
同社は、攻撃者フォーラムサイトを監視する中で合計5回の攻撃が計画されているのを発見したといい、「オリンピック・パラリンピックの無料チケットを提供する」などのうたい文句で不正なメールを送り付ける攻撃への注意を呼び掛けていた。
同社によると、その後の監視活動から、攻撃者がフォーラム内で、初回攻撃によって17万4000の法人や個人に不正メールを送付し、9258人をだますことに成功したと主張しているのを確認したという。成果としてはまずまずだが手ごたえも感じ、今後の攻撃における成功を期待しているという。
不正メールでは、受信者がキャンペーンに当選したとの文言でリンク先のウェブサイトにアクセスし、情報を登録するよう促す。同社の解析では、実際には複数のサイトにリダイレクトされながら、最終的に不正なスクリプトが送り込まれ、インターネットバンキングのアカウント情報などの窃取と、攻撃者サーバへの送信が行われてしまうという。
同社によれば、攻撃者のフォーラムでは既に2回目の攻撃準備が進み、日本とアジア、米国を標的にした攻撃が実行される可能性があるとして、この攻撃に使われる可能性があるという新たな不正メールの画面も公開している。
初回攻撃に使われたと見られるフィッシングメール(出典:Antuit)
2回目の攻撃に使われる可能性があるというフィッシングメール(出典:Antuit)