SAPは同社の製品で反復的な作業の自動化を進めるために、インテリジェントなロボティックプロセスオートメーション(RPA)に投資すると発表した。
SAPの最高イノベーション責任者Juergen Mueller氏は、「この分野では機械学習が、RPAのボットが求められる業務プロセスを実行する際の例外を管理し、RPAボットを誘導する脳の役割を果たす」と語った。
この発表はバルセロナで開催されているSAP主催のカンファレンス「SAP TechEd」で行われたもので、同カンファレンスではほかにもさまざまな機械学習関連の発表が行われた。
同社はまた、「SAP Leonardo Machine Learning」プラットフォームに、企業のチャットボット構築を支援する新たなサービス「SAP Conversational AI」を数日以内に追加することも明らかにした。
Mueller氏は、この新サービスは「これまでに発表された特定業界向けのパッケージ化されたボットよりも一歩進んだもの」だと述べている。
同社はまた、「SAP Analytics Cloud」プラットフォームにスマートアプリケーション設計機能を追加する計画も発表した。
この新サービスは2018年第4四半期中にリリースされる予定で、「ソフトウェア開発キットやアプリケーションプログラミングインターフェースを通じて提供する、高度なスクリプト機能、アナリティクスコンテンツの標準化、アナリティクス拡張機能」などによって、アナリティクスアプリケーションを構築を支援するものだ。
さらにSAPは、企業が簡単にアナリティクスを利用できるシナリオを用意できるよう、同社のビジネスコンテンツライブラリに、パートナーが提供する新たなコンテンツを追加するという。これには、あらかじめ用意された「SAP Digital Boardroom」用のストーリー、ダッシュボード、アジェンダや、「SAP S/4HANA」用に設計されたデータモデルなどが含まれる。
SAPは、企業の機械学習に対するニーズを満たすワンストッププラットフォームを目指す取り組みの一環として、今後もデータサイエンティストがカスタムMLモデルをトレーニングするための機械学習機能や、新たな機械学習サービスへの投資を継続していくと述べている。
同社はほかにも、2018年中にさまざまな機械学習関連サービスをリリースする予定だ。これには、画像からテキストを抽出するシーンテキスト認識サービス、画像中のオブジェクトを抽出するカスタマイズ可能な画像分割サービス、テキスト中の細かいパターンを検知しマッチングするカスタマイズ可能なテキスト特徴抽出機能などが含まれ、Googleのテキスト読み上げサービスや音声テキスト変換サービスも利用できるようになる。
また、Googleと結んだパートナーシップの一環として、2018年11月に「Google Cloud Platform」でSAPの機械学習関連機能がリリースされることが明らかになった。これによって、Google Cloud PlatformとSAP Cloud Platformを併用してインテリジェントなアプリケーションを構築できるようになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。