IBMとSeagate、ブロックチェーンを利用するハードドライブ偽造防止の取り組みで連携

Natalie Gagliordi (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2018-11-09 12:04

 IBMとSeagateは米国時間11月8日、ブロックチェーンを利用してハードディスクの追跡と認証を行う技術を開発するパートナーシップを結んだと発表した。このパートナーシップの目的は、IBMのブロックチェーンプラットフォームとSeagateのセキュリティ技術を用いることで、ハードディスクの偽造を防ぎ、ハードディスクのコンプライアンスとセキュリティを必要としている企業の需要に応えることだ。

 IBMとSeagateは、どちらも部品の偽造が電子サプライチェーンに与える脅威について指摘している。また、OEM企業は製品に関する具体的なデータを公開することに消極的な場合が多いため、電子部品の偽造を確実に特定するのは難しいという。

 ブロックチェーン技術を使えば、複数の主体の間に分散保持された偽造不可能な台帳にすべての取引を記録し、売買された製品に関するタイムスタンプ付きの変更不能な記録を作成することができる。ブロックチェーン技術は透明性を向上させ、可視性を高めてサプライチェーンの経済性を改善するのに使われる。

 この仕組みでは、IBMのブロックチェーンプラットフォームと、Seagateの電子指紋技術および製品トラッキング技術を使って、ハードディスクの来歴を証明する。

 具体的には、Seagateはハードディスクを製造した時点でデバイスごとに固有の「Seagate Secure Electronic ID」(eID)を生成し、この情報に基づくデータでIBMのブロックチェーンプラットフォームを更新する。また、ハードディスクを消去する際には、Seagateが持つ暗号を使用したデータ消去技術によって、データが消去されたことを証明するデジタル証明書を作成し(Seagateの公開鍵インフラを利用して、デバイスによって電子署名が作成される)、ブロックチェーンに記録する。この仕組みを利用すれば、世界的に策定が進んでいるプライバシーに関する法律に対しても、コンプライアンスを確保することができるという。

 両社は今後、プロジェクトの進展に伴ってビジネスのネットワークを拡大し、ほかのパートナー企業の参加を呼び込みたいと考えている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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