反響の大きい、ひとり情シス向けの技術本
法人マーケティング本部 シニア アドバイザーの粟津和也氏
続いて法人マーケティング本部 シニア アドバイザーの粟津和也氏が、「ひとり情シス向け技術本紹介セッション『できるよシリーズ』紹介」というテーマで講演を行った。デルでは、清水氏の著書の他にもう一つの同人誌として「ひとり情シスできるシリーズ」という本を発行している。こちらは、社内のITを管理する上で、具体的な方法論を記述してあるひとり情シスの“秘伝書”だ。技術書典で発表するや即日完売という高い評価を得ている。
ひとり情シス向けの技術本である「できるよシリーズ」として今回、「クライアント」「コネクテッド環境」「セキュリティ」の3章をリリース。全部で8章を予定しているという。
「コミックマーケットで完売しており、SNSでの反響も大きい」と粟津氏。
市販の情シス関連本との違いとしては、中堅企業に特化していることや、実体験をもとにした課題と解決をストーリー形式で記載している点、現役社員の執筆による同人誌のため頻繁なアップデートが可能な点などが挙げられる。例えばコネクテッド環境編では、無線LAN環境の可視化についてなどが詳説されている。
「お客さまからは『本格的にセキュリティ対策しようとしていた矢先で参考になった』『市販の本は大企業向けだったのであまり参考にならない部分も多く助かった』などの声もいただいている」と語った粟津氏は、残り5章の順次リリースと、新たな技術書のリクエストなどについて言及した。
ひとり情シスの悩みトップ10は？
広域営業統括本部 デジタルセールス本部長の木村佳博氏
ランチセッションの「ひとり情シス向けソリューションセッション」では、広域営業統括本部 デジタルセールス本部長の木村佳博氏が、同社のひとり情シス支援ソリューションについて説明した。デルが提供するひとり情シス支援ソリューションは、提供開始から2年近くを経て、かなり広範囲なラインアップとなっている。木村氏は、ひとり情シスの最新の課題を踏まえたソリューションの考え方や、中堅企業に注目されているITキーワードなどについて言及。さらに全国で展開するセキュリティセミナーやセキュリティワークショップ、ユーザー会の活動などについて紹介した。
最後に「ひとり情シス駆け込み寺」と題して、広域営業統括本部 ソリューションセールス部長の若林愛氏が講演。顧客から寄せられる課題のランキングやその対応策を説明するとともに、セッション中に「公開駆け込み寺」として直接質問も受け、同社技術陣がその場で回答した。
広域営業統括本部 ソリューションセールス部長の若林愛氏
2018年に顧客から受けた相談トップ10は次の通り。
- 1．Windows 10への入れ替えのための検討がなかなか進まない
- 2．PC購入後のキッティング作業や廃棄処分の手間（Windows 10への移行でも同様）
- 3．Windows 10の移行タイミングでのデスクトップ仮想化
- 4．BCP/DR対策（これは大阪以西からの相談が今年は特に多かったという）
- 5．オンプレミスからクラウドへの移行について（中堅企業の2％しか完全クラウド化はできていない）
- 6．ランサムウェア対策（昨年末から今年はじめにかけて急増）
- 7．データ量の増大
- 8．ユーザー部門による野良クラウド
- 9．無線LANの通信速度が遅くユーザーからクレームが後を絶たない
- 10．仮想化の話をよく聞くが、仮想化しないとITシステムのトレンドに乗り遅れてしまうのか
清水氏が閉会のあいさつを行った後には、別室にて改めて「ひとり情シス駆け込み寺」が実施され、個別の相談を受け付けていた。
