IBMとNVIDIAは、人工知能ワークロードや「TensorFlow」「PyTorch」「Spark」などのデータ処理ツール向けに設計されたストレージシステムを発売する。
この「IBM SpectrumAI with NVIDIA DGX」は、IBMのソフトウェア定義ファイルシステム、オールフラッシュストレージ、NVIDIAのGPUシステム「DGX-1」を組み合わせたコンバージドシステムだ。
最近では、ストレージベンダーが、オールフラッシュストレージを採用した、AIワークロードや機械学習に最適化されたアーキテクチャを持つストレージ製品を提供するケースが増えており、IBM SpectrumAIの発売もそうしたトレンドの一環だと言える。過去には、Pure StorageとNVIDIAが協力して、元々データハブ向けに設計されたアーキテクチャを用いたAI向けのインフラ製品を発売している。ほかにも、データ管理ソリューション市場に主戦場を移しているNetAppとLenovoがパートナーシップを結び、AIシステムを念頭に置いたシステムをリリースした。
IBMはオープンソースフレームワークや開発者の間で支持されているNVIDIAの力を借りたいと考えているようだ。NVIDIAのDGXは、クラウドやオンプレミスで進められているデータサイエンス関連の取り組みで、基盤となるプラットフォームに採用されていることが多い。
このシステムには以下のような特徴がある。
- DGX-1サーバとして機能する。
- GPUを使用したトレーニングのパフォーマンスの最大化に最適化されたNVIDIAのDGXソフトウェアスタックを使用(RAPIDSフレームワークを含む)。
- 小さなファイルやメタデータの処理、ランダムIOのパフォーマンスを強化した、AIワークロード向けに設計されたソフトウェア定義ファイルストレージ「IBM Spectrum Scale v5」を採用。
- 2Uの各ブロックに300TバイトのNVMeオールフラッシュストレージを搭載し、ラック内で最大120Gバイト毎秒のスループットを実現。
- 大規模データのガバナンスと「IBM Spectrum Scale」および「IBM Cloud Object Storage」の両方をまたがるメタデータタギングに対応するため、「IBM Spectrum Discover」を使用。
IBM SpectrumAI with NVIDIA DGXは、AIやハイパフォーマンスコンピューティング向けの製品IBM Spectrum Scaleと組み合わせて使用することを前提に設計されており、IBMとNVIDIAの販売代理店を通じて販売される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。