ガートナー ジャパンは、「日本におけるポストモダンERPのハイプ・サイクル」の最新版を発表した。
日本におけるポストモダンERPのハイプ・サイクル:2018年
ガートナーのハイプ・サイクルは、横軸に「時間の経過」、縦軸に「市場からの期待度」を置く2次元の波形曲線で表している。この中で新しいテクノロジ、サービス、方法論などが登場してから市場に受け入れられるまでは、総じて同じ経過をたどることになる。
まず、市場に登場した直後は期待が急上昇するが(黎明期)、期待に見合う成果を伴わないまま過熱気味にもてはやされる「過度な期待」のピーク期をたどる。そして熱狂が冷めると期待が一気に幻滅に変わり(幻滅期)、それを乗り越えて改めて市場への浸透が進むことで(啓蒙活動期)、成熟したテクノロジとして市場に認知されるに至る(生産性の安定期)。ガートナーでは、企業のCIO(最高情報責任者)やITリーダーは、このハイプ・サイクルを活用することによって、適切なテクノロジを最適なタイミングで採用することができるとしている。
今回発表したハイプ・サイクルについて、ガートナーでは現在、主要なERPベンダーは、ERPの機能の多くをパブリッククラウドERPとしても提供するようになっており、人事や財務といった、いわゆる管理系の業務領域では、パブリッククラウドERPに対する期待がピークに達していると指摘する。
またクラウド化の進展によって、オンプレミスとクラウド間、クラウド同士のアプリケーション統合を実現する関連テクノロジの重要性が高まっているとし、クラウドアプリケーションを短期展開する際のアジャイル手法の活用や、ERPのデータ/機能を活用して顧客やエンドユーザーのニーズに応える新たなソリューションを生み出す手法であるデザインシンキングも、企業の新たな関心事となっているとした。
さらに、今回のハイプ・サイクルに取り上げたテクノロジやコンセプトの多くは、全般的に成熟度が低いとし、試行錯誤や失敗がもたらす幻滅をいかに乗り越えていけるかが、ベンダーとユーザー企業双方の課題だとしている。