Microsoftはまだ「Windows 10 19H1」(「Windows 10バージョン1903」あるいは「April 2019 Update」になる予定のバージョン)の開発を終えていない。ところが米国時間2月14日、Windows 10の開発チームは、Windows Insiderの「Skip Ahead」リングのテスターに、Windows 10 20H1ブランチの新しいテストビルドをリリースした。
従来通りの流れなら、Skip Aheadリングにリリースされるのは次の「Windows 10 19H2」(2019年秋に公開されるバージョン)のビルドのはずだが、この「Build 18836」はそうではない。Microsoftの担当者は、19H2のテストビルドは「今春のうち」にリリースされる予定だと述べている。
Microsoftはバージョンを飛び越えて20H1のブランチを先に公開した理由を詳しく説明しておらず、「20H1で取り組んでいる一部の要素は、大きなリードタイムを必要としている」とだけ述べている。
筆者はTwitterで、今回リリースされたビルドは、Microsoftが先週リリースしたWindows 10 19H1のビルド18834とは違うものかと尋ねた。シニアプログラムマネージャーのBrandon LeBlanc氏は、これに次のように答えている。
「現時点では、20H1のビルドと19H1のビルドはほとんど同じであり、コードの観点から言えばまだ大きな違いはない。違いが出てくるまでにはもうしばらくかかるだろう。いずれ、20H1のビルドには、表面に出てこない部分の変更などが見られるようになる」 (LeBlanc氏)
2月14日のブログ記事で公開されたビルド18836の変更内容リストにあった項目は、Windows 10 19H1で見つかった問題に関するものばかりだった。Microsoftの担当者は、Windows 10 20H1に導入される新機能について言及していない。ただし、MicrosoftがSkip Aheadに新しいバージョンをリリースしたときの最初の数ビルドは、Windows 10のコア部分に内部的な変更を加えたビルドのテストリリースで、目立った新機能は存在しないのが普通だ。
これまでのサイクルからすると、Microsoftは、メインストリーム向けにWindows 10 19H1を2019年4月、Windows 10 19H2を2019年10月、Windows 10 20H1を2020年4月にリリースするとみられる。
何人かのMicrosoftウォッチャーは、今回の発表を受けて、Microsoftはテストリングの位置づけを変更しようとしているのかもしれないとツイートしている。
Microsoftは、Windows 10 19H2のテストビルドはSkip Aheadリングにはリリースせず、ファーストリングのテスターにのみリリースするつもりなのかもしれない。つまり、Skip Aheadのテスターは今後、次のバージョンよりもかなり先のリリースの機能をテストすることになる可能性がある。同社がそのように仕組みを変えることでテストのプロセスを強化し、Windows 10 1809で起こったようなアップデートの不具合を防ごうとしているのだとすれば納得がいく。しかし現時点では、これは単なる推測に過ぎない。
LeBlanc氏はその後、一度Skip Aheadにリリースされた20H1のビルドを導入したら、ダウングレードすることはできないとツイートしている。これは基本的に、Windows 10 19H2のテストビルドは今後Skip Aheadリングには提供されず、Fastリングにのみ(そして最終的にはSlowリング、Release Previewリングに)リリースされることを意味すると思われる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。