Googleは米国時間2月21日、テキストを音声に変換する「Google Cloud Text-to-Speech」サービスでより多くの音声および言語を利用できるようにしたと発表した。また音声をテキストに変換する「Google Cloud Speech-to-Text」サービスの品質向上を図るとともに、複数の機能について一般提供に移行したことも発表した。これらのアップデートによって、膨大な数の人々が利用でき、より効率的に機能するインテリジェントな音声アプリケーションの開発が支援されるはずだ。
Text-to-Speechでは、利用可能な音声の数が、2018年8月に実施された直近のアップデートに比べてほぼ倍増している。また、新たな言語/方言が7つ追加され(すべてベータ版)、サポートされている言語の総数は21となった。
さらに、新たに追加されたこれら言語向けに、31の「WaveNet」音声と24の標準音声が追加された。Googleによると、現在サポートしている音声の数はこれで106になったという。
WaveNetはディープニューラルネットワーク(DNN)を用いて生の音声を合成する、DeepMindの技術。WaveNetを用いることで、標準的なテキスト音声合成技術を用いる場合よりも自然な音声を合成できる。
Googleの製品マネージャーであるDan Aharon氏は同社ブログに、「当社の『Cloud TPU』を活用したWaveNetテクノロジの利用により、業界の一般的な水準に比べると、より迅速かつ容易に新たな音声や言語のサポートを実現できる」と記している。
Text-to-Speechでデバイスプロファイルを設定する機能についても一般提供が開始された。同機能により顧客は、ポッドキャストのようなメディアアプリケーション向けのヘッドフォンなど、ハードウェアのタイプに応じて再生音声を最適化できるようになる。
また、Speech-to-Textについては、2018年にベータ版をロールアウトしていた「video model」と「enhanced phone model」という、標準レートよりも費用の高いプレミアムモデルの一般提供も開始された。Googleの発表によると、video modelは、「YouTube」の自動字幕機能で採用されているものとよく似たテクノロジに基づいており、以前よりも識別エラーが64%減少しているという。またenhanced phone modelも識別エラーが62%減少している。
これらモデルの品質向上は、同社がプレミアムサービスを利用する顧客に対して、データロギングを通じた利用データの共有を求めることで可能になった。enhanced phone modelは同日から、データ共有をオプトインしなくても利用できるようになったが、オプトインした顧客には割引価格が適用される。また、video modelの顧客すべてに対する価格も引き下げられ、データ共有をオプトインした場合にはさらなる割引きが適用される。
また同社はマルチチャネルの音声認識サービスについても一般提供の開始を発表した。同サービスにより、Speech-to-TextのAPIは複数の音声チャネルを区別できるようになる。これは複数の話者が登場するシナリオで有効なものとなる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。