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アナロジーが生み出すイノベーションの可能性--クラウドソーシングとAIの活用でより高度に

Greg Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2019-03-11 06:30

 筆者は2017年に、複雑な問題に取り組み、イノベーションを生み出すためのアナロジー思考に関する記事を執筆したことがある。その記事で取り上げたカーネギーメロン大学(CMU)とエルサレム・ヘブライ大学のコンピュータサイエンティストらが、驚くほどシンプルな方法で知的なひらめきを得る方法についての研究成果を新たに発表している。それは、一見すると無関係に見える既知の問題解決技法と複雑な問題を結びつけ、解決に導いていくというものだ。

アナロジー思考

 AIをアナロジー思考で「考える」ように訓練することができれば、イノベーションの爆発を引き起こせるのだ。

 このリサーチャーらは、ペンシルベニア州ピッツバーグのBosch Research and Technology Centerメリーランド大学ニューヨーク大学のレナード・N・スターン・スクールの科学者らの支持と後援を受け、米国時間2月5日に「Proceedings of the National Academy of Sciences」(PNAS:米国科学アカデミー紀要)上で新たなレポート「Scaling up analogical innovation with crowds and AI」(クラウドソーシングとAIを用いた、アナロジーによるイノベーションのスケールアップ)を発表した。このレポートでは、クラウドワーカーとAIが協調してアナロジーを見つけ出すというプロセスが解説されている。そこでの結論は、機械学習(ML)ツールキットがイノベーションを加速し、イノベーションの台地とも称される場所からわれわれを高みに引き上げてくれる可能性があるというものだ。

 エルサレム・ヘブライ大学のコンピュータサイエンス部門のアシスタントプロフェッサーであるDafna Shahaf氏は「人々は、われわれが再びブレークスルーを生み出し始める方法について大きな興味を抱いている」と述べ、「発見に至るまでのペースは速いものの、研究に投資されるリソースの量とは見合っていない」と続けた。

 ブレークスルーは長い間、まさにアナロジーによって生み出されてきた。CMUの広報担当者は筆者にウィルバー・ライト(ライト兄弟の兄)の例を挙げてくれた。ウィルバー・ライトは、航空機の機体を旋回させるうえで重要な方法であるたわみ翼のアイデアを、厚紙の箱のようなものをひねっていた時に考え出したとされているのだという。しかし、数十年間に渡って次々とイノベーションが生み出され、テクノロジが発展してきたことで、手の届きやすいイノベーションの大半は実現されてしまった。そして、問題の難易度は増加していき、たった1人の天才がすべての課題を解決できる完璧なアナロジーをひらめくような状況ではなくなってきている。

 アナロジー思考による問題解決は、スケールアップしていく必要がある。レポートの著者らは、個人が単独で問題を解決するのではなく、問題を構成する個々の課題を解決できる人々とAIが力を合わせることで、より良いアナロジーを見つけ出し、より効率的な科学的発見を導き出せるような取り組みを生み出して問題解決に向かっていけると示唆している。

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