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企業の外にある脅威に目を向けよ--Recorded FutureのトゥルヴェイCTO

國谷武史 (編集部)

2019-04-01 06:00

 「企業は自社の外側にある脅威の動きに関心を向けるべきだ」――サイバーインテリジェンスを手掛けるRecorded Future 最高技術責任者(CTO)のStaffan Truvé氏は、率先してセキュリティ対策を講じていく上でのポイントをこう指摘する。

Recorded Future 最高技術責任者のStaffan Truvé氏
Recorded Future 最高技術責任者のStaffan Truvé氏

 米国マサチューセッツ州に本拠を置く同社は、インターネット空間を監視してサイバーセキュリティに関連する可能性のある膨大な情報を収集し、マシンラーニングと独自のアルゴリズムよる分析を通じて、企業や組織が直面しているサイバーセキュリティリスクを可視化するサービスを手掛ける。

 博士号を持つTruvé氏は共同創業者の一人で、「地政学や金融にまつわるリスクを予測する事業を長年考えていた。金融リスクは2008年の『リーマンショック』で現実になり事業化しなかったが、地政学上のリスクとサイバーセキュリティのリスクが密接に関係するようになり、起業した。インテリジェンスの取り組みは15年以上になる」と話す。

 サイバーセキュリティ分野のインテリジェンスは、やや新しい部類のソリューションの1つに数えられる。政府や企業、組織などを狙うサイバーの犯罪者/攻撃者グループの素性や彼らが用いる手口、行動パターンといった要素を追跡し、それらの相関性を明らかにすることで、その情報をセキュリティ対策に利用し、実被害が発生することを可能な限り未然に防ぐ。

 従来の対策は出現した脅威に対して防御を講じるため、被害抑止の対応は後手に回るが、インテリジェンス情報を利用して先に防御策を講じるというのが、このソリューションのポイントになるという。近年はセキュリティベンダー各社がサービス提供に乗り出し、Recorded Futureはその草分け的な存在だとTruvé氏は説明する。2018年10月には日本法人「レコーデッド・フューチャー・ジャパン」も設立した。

 同社では日々、インターネット上のコミュニティーや掲示板、フォーラム、ソーシャルネットワーキングサービスといったあらゆる場所をクローリングし、そこでやりとりされる怪しい情報や動きに関する数千種類ものドキュメントを収集しているという。それらは一見バラバラでも、継続的な監視と相関性分析によって、特定の企業・組織が攻撃者や犯罪者に狙われている様子が見えてくるという。

 「ある場所で膨大な認証情報のリストが売りに出され、別の場所では企業サイトの脆弱性情報がやりとりされている。また別の場所では、実在サイトに似せたドメイン名が多数登録されていたとする。これらの兆候をつなぎ合わせれば、大規模なフィッシング詐欺攻撃が計画されている可能性がある」(Truvé氏)

 同社では、ユーザーが直面しているリスクの具体的な内容とその数値(リスクスコア)をインテリジェンス情報としてポータルやAPIで提供する。ユーザーはポータルでリスク顕在化の兆候を把握したり、API経由でセキュリティシステムに反映したりできる。米国を中心にサービスを開始したことから同国では既に成熟したソリューションと位置付けられつつあるが、欧州や日本ではこれから。現在のユーザーは、1割が政府機関、9割がマネージドセキュリティサービス事業者(MSSP)や社会インフラを支えるような大規模企業という。

 そこで現在は、監視・収集する情報や兆候とサービスでの多言語化を進める。「これまで10カ国語に対応している。既に日本語での情報や兆候を収集しており、分析やポータルでの利用言語としても2019年中に対応したい。韓国語などさらなる多言語化を進め、インテリジェンスをより使いやすいものへ進化させていきたい」とTruvé氏は話す。

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