機械要素部品メーカーのTHKは、アドバンスト・メディアの音声認識キーボード入力システム「AmiVoice Keyboard」を自社の部品検査に導入した。アドバンスト・メディアが3月27日に発表した。
これまで同社は、多品種小ロットの製品を測定する際、手持ち測定器と紙を用いて一品ずつ手書きでデータを入力していた。この入力作業を音声入力に切り替えることで、作業効率を向上させようとAmiVoice Keyboardを導入したという。
AmiVoice Keyboardは、キーボード入力の代わりに音声認識技術を活用することで、数字キーやコントロールキーなどを含めたキー入力を音声で操作するソフトウェア。文字入力を声で行うため、作業の手を止めずに済む。音声認識エンジンは、インターネットを使用しないスタンドアロン形式のものである。ディープラーニング技術が組み込まれており、騒音が激しい環境下でも認識率が高いとしている。
アドバンスト・メディアによると、THKは音声入力によって検査用紙への手書き入力がなくなり、話した言葉が即座にデータとして入力されるようになった。また、従来発生していたデータの打ち直しや、次工程への検査用紙の引き渡し、印刷物の管理がなくなり、データ管理作業が効率化したとする。加えて、これまで一時的な記録や工程内での確認作業のために利用していた測定結果をビッグデータとして活用することも検討している。
同社は、現在導入している生産工場2拠点に加え、新たに2拠点へのAmiVoice Keyboardの導入を予定しているとのことだ。
AmiVoice Keyboardを導入した様子(出典:THK)