調査

ベンダー出身技術者を中途採用するユーザー企業は80%超に--ガートナーが展望

NO BUDGET 2019年04月04日 06時00分

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 ガートナー ジャパンは4月2日、「テクノロジ人材」について今後3~5年間で注目すべき展望を発表した。テクノロジ人材の観点で重要となる予測の一つとして、2021年までに国内のITベンダーから技術者を中途採用するユーザー企業は80%を超えるという展望が挙げている。

 ガートナーによると、IT部門は、従来は社内の従業員を対象にITサービスを提供していたが、今後はデジタルビジネスを踏まえた取り組みでは、自社の顧客やパートナーを巻き込むエコシステムをITによって構築し、サービスを提供するようになるという。そしてモバイル、クラウド、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、ロボティクスなどテクノロジの進化と、デジタルビジネスに向けた新たなテクノロジの適用領域の拡大に伴い、IT部門にかかる期待とIT部門が直面するチャレンジもまた大きくなっていく。

 その中でユーザー企業は、IT部門が従来の業務に多くの時間や予算を取られ、新たな領域へのチャレンジは困難を極めているという実情に対し、自らが主導権を取る覚悟を決めるようになるという。そして自社が関わるITについて、これまではベンダーにアウトソースしていた作業の一部を自社で賄えるよう、ベンダーでの経験が豊富な人材を獲得するようになるという。

 この他の展望としては、以下などを挙げている。

  • 2022年までに60%以上の日本のユーザー企業のIT担当者は、無償のオープンソースソフトウェア(OSS)、オンライン講座、有益な書籍を利用することで、AIに関して“自分で運転する”基礎的なスキルを獲得する
  • 2023年までに、人材の情報処理能力の改善に取り組まないIT部門の80%は、縮小戦略を取らざるを得なくなる
  • 2024年までに、人月単価をベースとしたプロジェクトを実施する企業の90%は、OSSプロフェッショナル人材の獲得に苦慮する
  • 2022年までに、デジタルや「モード2」の推進に関して有効な対策を取れないシステムインテグレーターの80%は、20~30代の優秀な若手エンジニアの離職が深刻な問題となる

 AIに関しては、2018年以降、AIを自分で学ぶための有益な書籍やオンライン講座が国内でも多く登場しているため、始めようと思えばすぐにでも学習に着手できる環境が整いつつあるとし、こうした状況は今後も継続し、また、学習機会について確実に周知が進むと見込まれることから、2022年には、テクノロジ人材のほとんどが少なくともAIの基礎知識を自ら習得するようになるとしている。

 IT部門が近い将来縮小戦略を取らざるを得なくなる可能性については、今後、AI、IoT、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)、ブロックチェーンなどが、継続的な技術トレンドとして変化する中で、大量の情報を人間はどう処理すべきなのか、正しい情報を効率的に取得し、正しい判断を下して行動につなげるには何が必要かを考えることが重要だとした。これを前提にすると、これまで通りのスピードで情報収集・判断・行動を続けている企業では、顧客ばかりか社内の他部門からの信頼も失う可能性があり、デジタル化の対応に関わるのが難しくなる可能性があるという。

 また、人月単価をベースとしたプロジェクトを実施する企業については、同社が2018年2月に実施した調査で、OSSに対する自社の取り組み方を変えた企業が「OSSのスキルを有する人材を雇用した」と回答するケースが、2017年の20.9%から27.2%へ6ポイント上昇したことを挙げている。そして、デジタルビジネスではOSSスキルと人材が礎になっていることを認識し、今後の人材不足問題や人材獲得競争に備えるべきだとしている。

 システムインテグレーターの人材獲得については、今後、クラウド化の進展やユーザー企業の内製化によって、日本のベンダーやシステムインテグレーターは収益増が期待できなくなる、あるいはアジャイルが前提であるため、現場が回らなくなったり、どのような契約を結ぶべきかが非常に難しくなったりする可能性があるとしている。そのため、既存のSIビジネスは10年以内に破壊される可能性が高いと、ガートナーは予測しており、デジタルやモード2への対応がうまくいかない企業では、優秀な人材ほど早く自社に見切りを付け、離職していくだろうとしている。

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