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富士通はなぜSUSEを重視するのか--Red Hatとの違い、オープンソースなど

末岡洋子

2019-04-05 10:03

 SAPマイグレーションを追い風に、富士通のSUSEビジネスが好調だという。成長率は3年で5倍、多くのビジネスは欧州からだが、「今後は日本でも成功のパターンを持ち込みたい」と富士通の岸本光弘氏(シニアフェロー テクノロジーソリューション部門ソフトウェア技術担当 情報工学博士)は語る。4月5日まで米国テネシー州ナッシュビルでSUSEが開催した年次カンファレンス「SUSECON 2019」で話を聞いた。

富士通 シニアフェロー テクノロジーソリューション部門ソフトウェア技術担当の岸本光弘氏。市場のバランスとして「SUSEにもっと強くなってほしい。(Red Hatと同等の)選択肢になる方が市場にとって良い」と話す
富士通 シニアフェロー テクノロジーソリューション部門ソフトウェア技術担当の岸本光弘氏。市場のバランスとして「SUSEにもっと強くなってほしい。(Red Hatと同等の)選択肢になる方が市場にとって良い」と話す

SAPと相性の良いSUSEは大きなビジネスチャンス

 富士通とSUSEは2017年にグローバルの戦略的提携の拡大を発表しているが、2社の関係は1999年ごろにさかのぼる。SUSEはドイツ企業で、富士通もドイツに「富士通テクノロジー・ソリューション(FTS)」を持つ。FTSでx86サーバの設計・開発が行われているため、協業は「自然な流れ」という。

 SUSEについて岸本氏は、「エンタープライズ領域で使われているという点で、SUSEはリーダー的な存在」と評価する。SUSEの優位点として岸本氏が挙げたのは、ライブパッチ、ファイルシステム「Btrfs」のシステムロールバック機能、主要なLinuxカーネルの新機能のサポートが早い点など。これらにより、中断のないメンテナンスや安全なパッチ適用が可能になるほか、性能でも優れるという。

 2018年に、富士通はx86サーバで23の世界記録を出したが、「このうちの17がSLES(SUSE Enterprise Linux Server)ベース」とのこと。具体的には、スループットの点でSUSEは2~3%優れるという。これにチューニングを加えてさらに微増させることができる。

 こうした背景から富士通は、エンタープライズ向けとしてのSUSEのプッシュを強化する。中でも、SAPは大きなフォーカスとなる。折しも、「SAP ERP」の保守期限が2025年に終了することになっており、S/4HANAへの移行が必要になるが、これは富士通のSUSEビジネスにとって大きなビジネスチャンスになると見る。というのも、SAP HANAのデータベースはまずSUSEで利用できるようになるなど、SAPとSUSEは親和性が高いからだ。グローバルでは、HANAデータベースの約90%をSUSEが占めているという。

 岸本氏は、「世界的にSAPへの関心が高まっている。SUSEはSAPと密接な関係にあり、実績という点でSUSEが多い。欧州でも日本でも『SAPはSUSEで』という顧客が多く、富士通としても、SAPはSUSEで進めたいと思っている」と話す。

 ハードウェアではPCサーバ「PRIMERGY」やIAサーバ「PRIMEQUEST」が中心となり、ミッションクリティカル、エンタープライズグレードのサポートも提供する。ある製造業の顧客の場合、S/4HANAの新規導入に当って、HANAにおけるSUSEの実績、富士通の高可用性、高信頼性、インテグレーション力が評価され、全て富士通での受注に至ったとのことだ。

 現在、SUSEビジネスの多くが欧州地区だ。富士通全体として日本国外からの売り上げを増やす戦略を掲げる中、SUSEビジネスは重要になっている。ハードウェアとコンバージド・インフラ/ハイパーコンバージド・インフラを組み合わせたソリューションが好調で、日本でもこのパターンで展開したいという。

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