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“IT流”の楽天モバイルのネットワークはどうなるのか?--設計責任者に聞く

山本雅史

2019-04-10 06:00

 2017年末に移動体通信事業者への進出を表明し、2018年春には電波周波数の割り当てを総務省から受けた楽天モバイル。2019年10月のサービスインに向けて現在は急ピッチで基地局やネットワークの整備を行っている。2月には楽天モバイルのネットワークシステムのテストベンチ施設となる「楽天クラウドイノベーションラボ」の運用を開始し、実際に近い環境でネットワークのテストもしている。

 今回は、楽天モバイルでネットワークの設計を行っているKhan Ashiq氏(インタビュー時は楽天モバイルネットワーク クラウド部長、以降は現社名で記載)へのインタビューを交え、現在の同社ネットワークの構築状況などを解説する。

--サービスインに向けて開発は順調に進んでいますか?

楽天モバイルでシステム構築を担当するクラウド部長のKhan Ashiq氏(肩書きはインタビュー時のもの)
楽天モバイルでシステム構築を担当するクラウド部長のKhan Ashiq氏(肩書きはインタビュー時のもの)

 非常に順調です。2月に開設した「楽天クラウドイノベーションラボ」で実運用するシステムを導入し、さまざまなテストやシステム構築を行っています。大きなトラブルが起きなければ、予定通りサービスインができるでしょう。

--移動体通信事業をイチから作り上げるにしては、楽天の参入発表(2017年末)から約2年でサービスインをするのは無茶ではないですか?

 確かにタイトなスケジュールですが、われわれは通信事業者のスピードではなく、IT企業としてのスピードで開発を進めていますから、“無茶”ではありません。ネットワークを構築する多くのシステムやソフトウェアは協力企業から提供を受けているため、楽天モバイルとしては各社から提供されたソフトウェアをオーガナイズすることに注力しています。このため、楽天クラウドイノベーションラボを作り、ある程度の規模でテストできる環境を作り上げました。

 なお、楽天クラウドイノベーションラボのハードウェアが、そのままサービスイン時のシステムとして運用されるわけではありません。実運用には、楽天クラウドイノベーションラボよりも大規模なクラウドを構築する必要があります。ただ、楽天クラウドイノベーションラボで開発したシステムをそのままスケールアウトするため、楽天クラウドイノベーションラボでテストや開発したソフトウェアがそのまま実環境で運用されます。

 楽天クラウドイノベーションラボは、実際に商用サービスが始まっても、日々のシステム改良などのテスト施設としてそのまま運用されます。通信事業者としては、安定したシステム運用が求められます。ただ、システム自体は細かな改良を日々行う必要がありますから、楽天クラウドイノベーションラボでソフトウェアのテストや検証を行い、安定性が確認されたら、実運用環境へ自動的に配布されていく仕組みです。このような仕組みは、クラウド事業者では一般的ですが、通信事業者としては最新のシステムといえるでしょう。

楽天モバイルは5G時代に普及していく完全な仮想化によるネットワークを構築している(楽天2018年通期決算説明会資料より)
楽天モバイルは5G時代に普及していく完全な仮想化によるネットワークを構築している(楽天2018年通期決算説明会資料より)
使用する多くのソフトウェアはIT企業の製品を利用する。多くのソフトウェアがオープンソースをベースに開発されている(楽天2018年通期決算説明会資料より)
使用する多くのソフトウェアはIT企業の製品を利用する。多くのソフトウェアがオープンソースをベースに開発されている(楽天2018年通期決算説明会資料より)
参入準備を開始して8カ月でネットワークを構築。実質1年ほどでサービスインをするのは驚異的なスピードだ(楽天2018年通期決算説明会資料より)
参入準備を開始して8カ月でネットワークを構築。実質1年ほどでサービスインをするのは驚異的なスピードだ(楽天2018年通期決算説明会資料より)

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