SGムービングは4月9日、ユピテル、三井住友海上火災保険(三井住友海上)と共同で、輸送品質の向上を目的とした実証実験を開始したと発表した。
SGムービングは、引っ越し輸送や設置輸送、特殊輸送などを展開する企業。大型家具や家電の設置輸送、家具や家電などの簡易梱包の大型貨物を取り扱っている。これらの商品を安全に輸送するため、輸送の過程で貨物がどのような環境下にあるのかを記録、検証し、輸送品質における課題を可視化することで合理的な改善を目指すとしている。
(出典:SGムービング)
今回の実証実験では、ユピテルの主力商品であるドライブレコーダー技術や、三井住友海上のリスクコンサルティングチームが事故検証のために開発中のリアルタイム通信機能付きデータロガーシステムなど、各社の知見を生かし、各種センサーや動画撮影機能の付いた実験用の輸送家具を制作した。
この実験用家具は、ドライブレコーダーに使用されている360度監視カメラを活用することで、衝撃が加わった際にどこで何が起きているのかを全方位動画で記録することができる。またデータロガーに通信機能を加えた「ロガー通信BOX」を設置することで、位置情報、衝撃数値、計測数値をリアルタイムに確認することも可能となった。
1回目の実験では、SGムービング営業所の倉庫で、通常の貨物と実験用家具を混在して出荷し、配達営業所に到着するまでの区間を検証した。検証に当たっては、社内には事前に情報を開示せずに実施することで、リアルな数値の収集を目指した。その結果、振動が多く発生する高速道路の区間の割り出し、車速と衝撃値の相関関係、積み替え時における倉庫と荷台の段差による衝撃発生ポイントの抽出など、具体的な数値を収集することができたという。
今後は営業所間の輸送だけでなく、納品先までの輸送行程にも調査範囲を拡大することで、最終拠点から消費者への輸送における課題抽出にも取り組んでいくとしている。