VxRailはvSphereにカーネルレベルで組み込まれているストレージ仮想化基盤ソフトウェア「VMware vSAN」が中核。仮想化環境全体を管理する「VMware vRealize Operations」、vSANとvRealize Operationsの管理パック、ITタスクの自動化を簡素化できる「VMware vRealize Orchestrator」、さまざまな環境のログをリアルタイムに管理できる「VMware vRealize Log Insight」が組み込まれている。
現在提供されるVxRailは最新のvSphere 6.7 Update 1とvSAN 6.7 Update 1が搭載される「VxRail 4.7」。vSANはエディションが選択可能になったことで、企業はライセンスコストを最適化できると説明する。
Dell EMCはvSphereやvSAN、ネットワーク仮想化基盤ソフトウェア「VMware NSX」を統合した「VMware Cloud Foundation」をベースにデータセンター全体をソフトウェアで制御する“Software-Defined Data Center(SDDC)”を目指しているが、このSDDCの管理性をエッジまで拡大する「Project Dimension」を組み合わせたIoT管理も視野に入れているという。
VxRailラインアップ
VxRailの特徴として高橋氏は「他社製HCIはストレージVM(コントロールVM)が入るので、一定のリソースを消費する。だが、vSANを利用するVxRailはカーネルに含まれるため、ハードウェアリソースをVMが使用できる」とアピール。ストレージVMを経由する場合、データパスはリードとライトの往復で6パスとなるが、VxRailは往復4パスで済むため、同社の説明によれば、CPUで2倍、メモリーで3倍の効率性を得られるという。
サーバーやSANスイッチ、ストレージの3層で構成されるシステム(3ティア)とVxRailを導入期間で比較して「250日間かかる3ティアに対してVxRailは120日間で済む。VMware環境のインストール作業も1時間程度で完了し、すぐにHCI環境を構築できる」(高橋氏)とアピールした。
また、VxRailのメリットとして、サポート窓口を1つに絞り込んだ統合的なベンダーサポートがあると説明。vSANやvSANに関連した障害が発生した時にはDell EMC内に常駐するヴイエムウェアのエンジニアが対応する。
EMCジャパン モダンデータセンター事業本部 プロダクトアーキテクト アドバイザリ システム エンジニア 中村雅史氏
SDSソフト「VxFlex OS」は何がメリットか
Dell EMCはラック単位で拡張できるHCI「VxRack Flex」も提供している。VxRack Flexはスケールアウトできるブロックストレージ「VxFlex OS」(旧Scale IO)がベース。EMCジャパン モダンデータセンター事業本部 プロダクトアーキテクト アドバイザリシステムエンジニア 中村雅史氏はVxFlex OSについて「外付けSANやハイパーコンバージドなど柔軟化構成が可能」とアピールした。