三井住友銀行ではBiz-Createの特徴として、次の3つを挙げている。
1つ目は、全国に約10万社の顧客基盤を持つ同行と各地域の金融機関が連携し、地域や業種の垣根を越えたビジネスマッチングを提供すること。2つ目は、同行が積み重ねてきたノウハウを活用した精度の高いマッチングサービスをインターネット上で効率的に利用できること。3つ目は、同行を含む金融機関のネットワーク上でビジネスパートナーを探索できるサービスであるため、安心して利用できること、である。
「創出」ではなく「進化」を遂げたデジタル変革
筆者がこのサービスに注目したのは、三井住友銀行にとって今回の取り組みが、まさしくデジタルトランスフォーメーション(DX)だからである。DXというと、デジタル技術を活用して新たな事業を創出するといったイメージがあるが、今回のケースのように、従来から展開していたビジネスにデジタル技術を適用して、サービスそのものを大幅に拡充させるといった取り組みも当てはまると、筆者は考える。象徴的な言葉を挙げるならば、「創出」というより「進化」を遂げたDXといえよう。
もう1つ注目したいのは、デジタル技術を提供するNECの今回の役目は、ITベンダーとしてユーザー企業が展開しているさまざまなサービスにおいても生かせる可能性があることだ。特定のサービスのデジタル化をサポートするという意味では、分かりやすいDX支援ビジネスといえる。「お客さまのこのサービスをDXしましょう」という提案を、ITベンダーとしてもどんどん行うべきだろう。
さまざまな観点で注目ポイントがある三井住友銀行の進化したビジネスマッチングサービス。デジタル化がどれだけの効果を発揮するかも注目しておきたい。