DockerとArmは米国時間4月24日、クラウドやエッジ、モノのインターネット(IoT)環境向けのアプリケーションをArmのアーキテクチャーでシームレスに開発、配布できるようにするための戦略的提携を発表した。この提携により、さまざまなコンピューティング環境でArmのスケールとDockerのコンテナプラットフォームのシンプルさやポータビリティを組み合わせることを目指す。
両社は、今回の提携から開発者がどのようなメリットを得られるかを披露する予定だ。ArmとDockerは、Dockerが主催するコンテナ業界向けの「DockerCon」カンファレンスで、Armの機能を「Docker Desktop Community」と連携させるデモンストレーションを行う。「Docker Desktop」を使用している約200万人の開発者は、テクニカルプレビューを通じて利用できるようになる。
Dockerの戦略的提携担当エグゼクティブバイスプレジデントであるDavid Messina氏は米ZDNetに対し、次のように説明した。「x86チップ搭載のノートPCでも、コンテナの作成や共有、実行などに関して、開発者がDockerについて知っているすべてのコマンドがArmで利用できるようになった」
また、アプリケーションをプロダクション環境に持っていく準備が整ったら、開発者はArmベースの「Amazon EC2 A1」インスタンス向けのセキュアな「Docker Enterprise Engine」を利用できるようになる。これにより、企業はArmでクラウドネイティブのアプリケーションを実行する際に、コードを書き直す必要なく、x86ベースのアーキテクチャと比べて最大45%の費用を節約できる。また、開発者はDockerから商用サポートを受けられる。
Messina氏は、1つの開発プラットフォームでエッジにもアプリケーションを展開できるようにすることを求めるDockerのエンタープライズ顧客からの要望が、提携を実現するきっかけの1つだったと説明した。Dockerの開発者コミュニティはしばらく前から「エッジに手をつけていた」が、「この提携によって初めて、コミュニティ全体としてかなりの規模で取り組めるようになる」と同氏は述べた。
また、両社は「Arm Neoverse」プラットフォームの一環として、DockerベースのソリューションをArmの開発者エコシステムが利用できるようにする。この統合により、多くのArm開発者がDockerベースのソリューションを利用し、クラウドからエッジ、デバイスまでの広範なアプリケーションで、より迅速かつ容易に独自のアプリを開発してデプロイできるようになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。