東レグループの情報システムを支える東レシステムセンター(TSC)は、グループの次期IT基盤においてハイブリッドクラウド化を計画している。具体的には、現行の仮想化統合基盤を「VMware on IBM Cloud」で拡張し、将来のマルチクラウド環境を見据えたハイブリッドクラウド環境を構築する。6月には環境構築を完了し、3カ月間の運用評価を経て、10月にサービスインを予定している。
現行のグループIT基盤は、オンプレミス環境にプライベートクラウド基盤として構築されており、約850台の仮想マシンが稼働している。今後はこれらをオンデマンドでVMware on IBM Cloudに移動させる。
VMware HCXを使えば、IBM CloudのVMware環境にアプリケーションを移行できるため、業務への影響を最小限にとどめられる。アプリケーションを改変することなく、ハイブリッドクラウド環境を容易に構築できる。
これにより、TSCはITのコントロールを維持したまま、クラウド移行に伴うコストや期間の削減を図ることが可能となる。さらにVMware on IBM Cloudは、東京リージョンだけでなく、世界各国のリージョンを選択できるため、将来的なグローバル展開にも柔軟に拡張することができるという。