NTTデータとJSOLは6月5日、香川県農業協同組合(JA香川県)、生産者部会、香川県および市町村などと「香川県スマート農業技術推進連絡協議会」を設立したと発表した。
この協議会では、NTTデータが提供している営農支援プラットフォーム「あい作」を用いて、農作物の出荷予測モデルを構築する。出荷予測モデルでは、JA香川県や香川県、農業現場が持つ品種ごとの栽培記録、地域ごとの気象情報、出荷管理データなどをあい作に蓄積して、分析する。最初は、香川県内のブロッコリーを対象として順次、県内の他品目への展開を見込んでいる。
ビニールハウスなどで覆われていない露地作物の栽培は、天候の影響を大きく受けるため、収穫量や出荷時期が年によって変動してしまう。そして、市場における需要と供給のバランスが悪い年は、農家が経済的な負担を被ることになると両社は説明する。また産地全体の出荷量を予測するには、ベテランのJA担当者の知見や、田畑・地域ごとの生育傾向を把握するための調査が必要であり、膨大な時間がかかっているという。
これらの課題を受けて、NTTデータとJSOLは出荷予測モデルの構築に至ったとしている。これにより、出荷量の事前予測が容易になり、生育調査などの時間削減も可能になると期待されている。最終的に、農家が早い段階で出荷量を把握し、価格交渉を有利に進められるようになることを両社は目指しているという。
両社の役割に関しては、NTTデータがあい作による生育状態の記録、同基盤における管理者機能の強化を担当。JSOLは、数理技術と農業分野の各種予測モデル構築技術を活用して、出荷予測モデルを設計・実証する。

出荷予測モデルの運用イメージ(出典:NTTデータ、JSOL)