NVIDIAは米国時間6月17日、同社のGPUプラットフォームにArmのCPUアーキテクチャーのサポートを追加すると発表した。NVIDIAによれば、エネルギー効率に優れ、人工知能(AI)に対応したエクサスケールのスーパーコンピューティングを提供したい考えだ。
NVIDIAは組み込み市場や自動運転車分野を念頭にArmと提携してきたが、今回のCPUサポートにより、NVIDIAのその他の高速コンピューティングスタックがArmプラットフォームで利用可能になる。さらにNVIDIAはこの提携強化で、スーパーコンピューティング向けのオープンアーキテクチャーを提供する道筋がつくと述べた。
NVIDIAがスタックの最適化を完了すると、同社はx86、POWER、Armを含む、すべての主要なCPUアーキテクチャーをサポートすることになる。
NVIDIAの最高経営責任者(CEO)であるJensen Huang氏は、「スーパーコンピューターは科学的発見を行う上で必須の手段だ。エクサスケールのスーパーコンピューティングを達成できれば、人智の境界を飛躍的に押し拡げることができる。従来の計算能力のスケーリングが限界に到達すると、すべてのスーパーコンピューターは処理能力の制約を受けることになる。このため、NVIDIAのCUDAで高速化したコンピューティング能力を、Armのエネルギー効率に優れたCPUアーキテクチャーと組み合わせれば、HPCコミュニティーにエクサスケールの性能をもたらすことができる」と述べた。
NVIDIAとArmは2019年末までに、スタックをリリースできると見込んでいる。
さらにNVIDIAは、「世界で22番目に高速なスーパーコンピューター」だと誇る「DGX SuperPOD」を発表した。96台の「NVIDIA DGX-2H」サーバーとMellanoxの相互接続技術を使って構築されており、NVIDIAが自律走行車プラットフォームの頭脳を開発するために利用しているシステムだ。同社によれば、9.4ペタフロップの処理能力を備えるDGX SuperPODは、最新のAIモデルは単一のサーバーやGPU上ではなく、大規模にトレーニングする必要があることを示す好例だという。
「AIでリーダーシップを発揮したければ、計算インフラストラクチャーでリーダーにならねばならない」と、NVIDIAのAIインフラ担当バイスプレジデントのClement Farabet氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。