富士通は6月19日、衣類品のレンタルや購買などが可能なシェアリングサービスのSaaS基盤「FUJITSU Retail Solution Dassen boutiqueシェアリングアプリ」の販売を開始したと発表した。アパレルなどの小売企業を対象とし、販売価格は初期費用が600万円、月額費用が30万円から。
モバイルアプリの画面イメージ(出典:富士通)
UberやAirbnbをはじめとするとシェアリングエコノミーの広がりに伴い、消費者の価値観が所有から利用へ移り変わっていると富士通は説明する。海外を含むシェアリングエコノミーの市場は、2025年に約3350億ドルになると試算されており、小売企業には従来の商品販売からサービスビジネスへの変革が求められているという。
この変化を受けて富士通は、顧客企業とともにシェアリングサービスの共創や、その基盤の開発・検証を進めており、その中で得られたノウハウを踏まえて今回、Dassen boutiqueの販売に至ったとしている。同サービスは、三越伊勢丹が銀座三越の3階で展開しているドレスシェアリングサービス「CARITE(カリテ)」のサービス基盤として採用されている。
Dassen boutiqueには、消費者向けのモバイルアプリとアパレルなどの小売業向けのサービス管理システムという2つの側面がある。
顧客向けモバイルアプリとしては、商品情報の閲覧、レンタル予約や商品の購入、クレジットカード決済などの機能を提供。また実店舗において顧客は、アプリでQRコードを読み取ることで、商品のお気に入り登録やレンタル予約ができる。加えて、店舗の販売員にチャットでコーディネートの相談をすることも可能だ。
小売業向けサービス管理システムとしては、QRコードで商品を番号管理するほか、レンタル予約に対応する在庫管理機能を提供する。また、コーディネート写真の投稿も可能。さらに、モバイルアプリやQRコードのアクセス履歴から、オンラインと実店舗における顧客行動を把握できるとしている。