富士通研究所、アイデンティティー流通技術を開発--オンライン取引での信用判断を支援

NO BUDGET 2019年07月10日 07時19分

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 富士通研究所は7月4日、オンライン上の取引に関わるサービス事業者や利用者に対して、取引相手の本人情報の真偽を判断可能なアイデンティティー流通技術「IDYX(IDentitY eXchange)」を開発したと発表した。

 この技術は、ブロックチェーンを用いた分散型IDの上に、IDYXのユーザーが取引を行った際に相手に対してお互いに行う評価と、過去の取引などから個々に構造化されていくユーザー間の関係性を使って、取引相手の本人情報の信用度と詐称リスクを分析するもの。各ユーザーは、取引前に相手の信用度をスコアやユーザー間の関係性を表したグラフなどから判断することが可能となり、より安全なオンラインサービスを享受することができる。

IDYXによる本人情報の流通の手続き
IDYXによる本人情報の流通の手続き(出典:富士通)

 分散型IDは、第三者が本人情報の正しさを保証する仕組みだが、サービス事業者や利用者が悪意のある第三者と結託することで、経歴や資格の詐称を行うことができ、それを見破ることが難しいまま広く流通してしまうリスクも存在する。さらに、この仕組みを利用するユーザー規模が膨大化していくと、サービス事業者や利用者、第三者がどのような人物であるかをさらに把握しづらくなる。こうした背景から、取引相手の本人情報の真偽をユーザーが判断できるような仕組みが必要となっていた。

 IDYXでは、取引によって発生するユーザーごとの評価をトランザクションデータ(一連のデータ)として登録し、ブロックチェーン上で改ざん不能な分散台帳に評価を格納していくことで、各ユーザーに対する信用情報の信頼性を向上させる。

 さらにブロックチェーン上に共有された個々の信用トランザクションのデータから、IDYXのユーザー間の関係性が分かるようにグラフ構造に変換し、何人のユーザーから信用されているか、どれくらい信用度の高いユーザーから信用されているか、などで重み付けを行い、信用度スコアを付けていく。ユーザーが自分の本人情報を保証する第三者との間で不正に評価を上げていた場合でも、グラフ構造の関係性から他のユーザーとの関係性が希薄であることなどが分かり、詐称の可能性の特定できる。

 またIDYXではユーザーは一部の本人情報の開示だけで、それらの真偽を証明することができ、取引を行うことが可能。取引相手にとっても不必要な個人情報などを取得せずに済み、安全かつ高信頼な取引を加速することができる。

 今後、富士通研究所では、この技術を金融をはじめさまざまな分野で実証を進めていく。またブロックチェーン技術を活用したデータ活用のためのクラウドサービス「FUJITSU Intelligent Data Service Virtuora DX データ流通・利活用サービス」の新機能として2019年度中の実装を目指す。

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