HumansとThingsで支えられている製造現場
以上が発表の内容だが、この発表で筆者が注目したのは、NSSOLが提唱する「IoX」という言葉である。
「Internet of X」の略語であるIoXは、「モノのインターネット」を意味する“IoT(Internet of Things)”に「ヒトのインターネット」を意味する“IoH(Internet of Humans)”を加えた同社独自の考え方である。“Things(モノ、設備など)”と“Humans(ヒト)”によって支えられた現場を対象に、IoTとIoHの仕組みを高度に連携、協調することで現場の動きをデジタル化し、より安全、安心でかつスマートな現場業務を実現する仕組みを意味しているという。
同社は2017年、生産性や安全性を向上させるため、IoXプラットフォームおよびIoXアプリケーションで構成されるIoXソリューションを標準サービスとして提供開始した。IoXプラットフォームは、その共通機能を標準的なコンポーネントやライブラリとして提供することで、アプリケーション開発工期の短縮やアプリケーション品質の向上を実現。また、IoXアプリケーションは、生産性を向上させる「作業ナビゲーションアプリケーション」、安全、安心な現場を実現する「安全見守りアプリケーション」などを提供する形だ。図2が、その全体像である。今回の新ソリューションもこの構成要素となる。

図2:IoXソリューションの全体像(出典:日鉄ソリューションズ)
改めて、IoXとは「機械、部品が互いにつながるIoTと、ヒトがIT武装によって互いにつながるIoHが、高度に連携、強調することにより大きな成果を生み出すコンセプト」である。なぜ、IoXでなければならないのか。製造や物流の現場はHumansとThingsによって支えられているからだ。
既にIoTが広く知られている中で、IoXという言葉が認知されるのは限定的かもしれない。だが、IoXには製鉄業を母体として製造現場でのIoT活用を推進してきたNSSOLの強いこだわりを感じさせる。ぜひともIoXに基づいたソリューションの大ヒット商品を生み出してもらいたい。