新しい働き方の浸透は効果をもたらす反面、新たな課題も生み出しつつある――。ITRは、従業員数1000人以上の企業に正社員として勤務するデスクワーカーを対象に、働き方改革の効果と働き方改革で生じる課題についての意識を6月にアンケートで調査。9月10日に発表した。
働き方改革による効果の実感度を10項目について5段階で確認し、回答を指数化したところ、全体の平均指数は全項目ともプラス水準となっている。とりわけテレワークを日常的に(週3時間以上)実施しているテレワーク実施者は、その実感度合いが極めて高いことが明らかとなっている(図1)。
図1:テレワークの実施状況別に見る働き方改革の効果実感度
だが、テレワーク実施者にその際に感じる課題を聞くと、「オンライン会議環境の品質が低い」を筆頭に10項目中5項目について、「大いに感じる」または「たまに感じることがある」という回答者が過半数に上回っている(図2)。地理的に離れた業務環境でコミュニケーションやコラボレーションの環境にまつわることが依然として課題となっていることがうかがえるとしている。
図2:テレワークで感じる課題
企業で採用されるケースが増えているフリーアドレスについては、フリーアドレス席で仕事をしている人は、固定席で仕事をしている人に比べて、他人の会話や雑音、視線、モノの動きなどの影響を受けやすいとの傾向があることも分かっている(図3)。
図3:自席で仕事をするうえでの悩み
調査結果はホワイトペーパーとして無料でダウンロードできる。働き方改革が進んでいく中でチーム作業の根幹となる“コラボレーション”と個人の生産性を左右する“集中力”の確保が今後の“働き方改革 2.0”の主要なテーマになることを踏まえて、課題解決のための選択肢について提言している。