編集部からのお知らせ
ZDNet Japanが新しくなりました!
New! 懸念高まる産業機器のセキュリティ

「Pure as a Service」を発表したピュア・ストレージ--サービス化やAWSとの連携は?

末岡洋子

2019-09-20 06:00

 フラッシュストレージベンダーのPure Storageが、サービス企業に向けて大きく舵を切っている。9月19日まで米テキサス州オースティンで開催した年次イベント「Pure//Accelerate 2019」では、ストレージの従量課金サービス「Evergreen Storage Service(ES2)」を含むサブスクリプションサービスを「Pure as a Service」にリブランディングすると発表した。これによって同社は、新しいハードウェアベンダーの形を示すことができるのか。2人の幹部に話を聞いた。

Pure Storageのシニアディレクター兼ES2担当プロダクトマーケティングのKevin Liebl氏(右)とバリューマーケティング・マネージャー、Kevin Rickson氏(左)
Pure Storageのシニアディレクター兼ES2担当プロダクトマーケティングのKevin Liebl氏(右)とバリューマーケティング・マネージャー、Kevin Rickson氏(左)

 前身となる従量課金サービスのES2は、1年半前に発表された「ストレージ・アズ・ア・サービス」になる。顧客は、Pure Storageのハードウェアを自社データセンター内に置くが、あくまでもリソース使用量をもとに対価を払う。面倒な設定やメンテナンスは不要で、パブリッククラウド感覚で使いながらオンプレミスにデータを保持できるというものだ。

 一方で同社は、2014年から「Evergreen Storage」サービスを提供してきた。これらは、3年ごとにストレージコントローラーをアップデートするなどのサポート契約であり、それまでのストレージのあり方に疑問を持った創業者らの意向が反映されたサービスとなる。

 「競合ベンダーの製品は5年ほどで買い換えなければならない。Pure Storageは、一度購入したら丸ごと買い替えることなく、コントローラーの交換で性能やキャパシティーを改善できる。予測分析によって故障が予想される部分にも対応できる。しかも、ダウンタイムはゼロだ」(Pure Storage シニアディレクター兼ES2担当プロダクトマーケティングのKevin Liebl氏)

 家に例えるなら、キッチンが古くなったからといって家ごと買い替える必要はない。キッチンのみ修理して、家に住み続けることはできるということだ。

 「顧客はこれまでのように製品を購入でき、使った分だけ払うこともできる。前者はCAPEX(設備投資)、後者はOPEX(運用費)となり、顧客に選択肢を提供する」(Liebl氏)

 これまでベースとなるリソースは「FlashArray」と「FlashBlade」、ストレージOS「Purity」だったが、今回パブリッククラウド(現時点ではAWSのみをサポート)でネイティブにブロックストレージを動かす「Cloud Block Store」なども対象になった。Liebl氏は、「サービスの完全なポートフォリオができた。今後、サービスとして提供するものはPure as a Serviceとなる」と話し、「ブロックサービス、ファイルサービス、オブジェクトサービスが利用でき、切り替えも可能。データセンター内にオンプレミスとして保有することも、コロケーションも、パブリッククラウドも利用できる」と説明した。データを動かしてもサブスクリプションは継続し、同じ技術を利用できるという。

 サブスクリプションでは、競合のHewlett Packard Enterprise(HPE)が「GreenLake」ブランドで展開しており、6月に「2022年までに全てのポートフォリオをアズ・ア・サービスにする」と発表している。Pure Storageの強みはどこにあるのか。

 Liebl氏は、「われわれは今実現していること。3年先ではない」と答えた。「ベンチャーを除くと、オンプレミスをアズ・ア・サービスとして提供するベンダーはわれわれが業界初」と自信を見せる。背景には、創業10年というPure Storageの後追いならではの思想がある。

 「製品アーキテクチャーはもちろん、ビジネスモデルとしてシンプルさを重視してきた。また、無停止アップグレードを早期から提供しており、アズ・ア・サービスに拡大するのも簡単だった。モニタリングや管理のためのインテリジェンスを最初から組み込んでおり、展開のための部品はそろっていた」(Liebl氏)

 Pure as a Serviceの重要な点がパブリッククラウドだ。「Cloud Block Store」は現在AWSのみだが、今後、Microsoft Azure、Google Cloud Platformも加えるという。「クラウドは全体の方向性だ。われわれはクラウドへ安全に移行できるようにすることで、顧客のクラウドの受け入れを加速する」とLiebl氏は話す。AWSへのマイグレーションの支援を強調するが、AWS側のデータをPure Storageに戻すことも可能だ。

 基調講演では、同社チーフアーキテクトのRob Lee氏が、「PureとAWSは手を取り合って進んでいく」と述べたが、Pure StorageはAWSとの良好な関係にある。イベントではAWSの主席テクノロジスト、Isaiah Weiner氏が登壇し、企業の88%がクラウドファーストの戦略を持ちながらも86%のIT予算をオンプレミスに費やしているというGartnerの調査を引用した。最大の原因とされるスキルと経験の不足を「Cloud Block Storeで解決できる」と期待を寄せた。画面には、AWSとPureのロゴの上に”Better Together”(一緒になるとさらに良い)と書かれたスライドが表示された。この辺りも、「ライバルはパブリッククラウド」というHPEとは異なる。

キャプション
キャプション

 目指すのは「顧客との長期的な関係の構築」(Liebl氏)だ。「単に製品を売るのではなく、顧客の要件に合わせる」と続ける。またPure Storageのバリューマーケティング・マネージャー、Kevin Rickson氏は、「インスタント・グラティフィケーション(瞬間的に喜びが得られる)の時代だ。顧客に製品の購入時、使用時に喜びを感じてもらい、一緒に仕事がしやすいと思ってもらえること」と述べた。

 Pure Storageの直近の四半期では、サポートサブスクリプションの売り上げが全体の4分の1程度を占めた。今後ハードウェア製品との比率がどのように推移するのかが注目される。

(取材協力:ピュア・ストレージ・ジャパン)

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

Special PR

特集

CIO

セキュリティ

スペシャル

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]