クラウドからのストレージ管理で「究極のシンプルさを」--ピュア・ストレージが新サービス

渡邉利和 2019年07月11日 09時22分

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 ピュア・ストレージ・ジャパンは7月10日、クラウドベースの管理プラットフォーム「Pure1」に関する説明会を開催した。同日付で国内ユーザーとして、NTTデータでの採用事例も公表している。

Pure Storage 副社長兼Pure1事業部門ゼネラルマネージャーのDan Decasper氏。同社初の製品である「FlashArray」の開発に携わった“レジェンド”だという
Pure Storage 副社長兼Pure1事業部門ゼネラルマネージャーのDan Decasper氏。同社初の製品である「FlashArray」の開発に携わった“レジェンド”だという

 Pure1について米Pure Storage 副社長兼Pure1事業部門ゼネラルマネージャーのDan Decasper氏は、「ストレージ管理に“究極のシンプルさ”を提供するものだ」と説明した。Pure1は、クラウドベースでユーザー企業が運用中の同社製ストレージ製品の詳細な稼働情報を収集する遠隔テレメトリー機能と、蓄積されたデータを分析してさまざまな提案を行う機械学習技術を活用した予測型インテリジェンス「Pure1 Meta」を中核として構成される管理プラットフォーム。インフラの最適化、自動化支援、予測型サポートなどを実現する。

 同社では、ダウンタイムなしで永続的に最新のコントローラーへのアップグレードを提供するサブスクリプション型の所有モデル「Evergreen Storage」を提供しているが、Pure1はEvergreen Storage契約者に標準提供される機能となる。

 同氏は、Pure1の開発目標として「自律型(Self-Driving)」「マルチクラウド」「フルスタック」の3点を挙げた。自律型とは、最初に機器を設置して運用を開始したら、以後はユーザーの関与なしでも自動的に最適な状態を維持しながら稼働し続けられる意味だという。マルチクラウドは、文字通りマルチクラウドの運用環境に対応していくことで、最後のフルスタックはストレージのみでなく、ネットワークやサーバ、アプリケーションといったIT環境全体をサポートしていくという意味になる。ただし、特にフルスタックについては「目標」という位置付けであり、現時点で実現されている機能というわけではない。現在のPure1が対象としているのは、同社製のストレージ製品と後述する「VM Analytics」機能によるVMware環境で実行中の仮想マシンとなる。

 Pure1のベースとなるデータは、同社が最初の製品をリリースした2011年から継続的に収集しているもので、現在は6000社以上のユーザーから毎日50テラバイト以上、累計では15ペタバイト以上のデータが集められているという。同様の取り組みはストレージベンダー各社が行っており、特にNimble Storage(現HPE)のInfoSightが先行事例としてよく知られているが、Pure1の特徴は特にシンプルさを重視している点で、ユーザーインターフェースのデザインから提供する機能まで、さまざまな面でシンプルさを価値として提供するという姿勢が一貫している。

 また、ストレージ管理の課題としてよく挙げられるサイジングに関しても、日々のデータ増加量に基づいて、容量/パフォーマンスを使い切る時期を予測するのはごく一般的な機能だが、Pure1ではさらに、ハードウェアを上位モデルに入れ替えたり追加したりといった変更の場合に、どのような変化が生じるかなどの具体的な予測まで可能だという。こうした予測を活用すれば、ユーザー企業は更新に踏み切る前に結果を予測することができるため、投資効率が向上することが期待できる。

“Pure1 Meta”による「予測型サポート」の概要。AI技術を活用して、あらかじめ障害発生につながる予兆のパターンを“フィンガープリント”として抽出しておき、これとの比較で障害発生を事前に予測するという。なお、こうした機能は一般に「プロアクティブ・サポート(Proactive Support:事前対応/予防サポートなどとも)」と呼ばれることが多いと思われるが、同氏は“プロアクティブ・サポート”(事前対応型サポート)を「障害が発生した後、顧客が障害に気付く前にベンダーから顧客に障害発生を連絡するもの」だとし、障害が発生する前にベンダーが障害発生可能性を把握して未然に予防することは「予測型サポート(Predictive Support)」として呼び分けていた
“Pure1 Meta”による「予測型サポート」の概要。AI技術を活用して、あらかじめ障害発生につながる予兆のパターンを“フィンガープリント”として抽出しておき、これとの比較で障害発生を事前に予測するという。なお、こうした機能は一般に「プロアクティブ・サポート(Proactive Support:事前対応/予防サポートなどとも)」と呼ばれることが多いと思われるが、同氏は“プロアクティブ・サポート”(事前対応型サポート)を「障害が発生した後、顧客が障害に気付く前にベンダーから顧客に障害発生を連絡するもの」だとし、障害が発生する前にベンダーが障害発生可能性を把握して未然に予防することは「予測型サポート(Predictive Support)」として呼び分けていた

 ストレージの稼働状況という視点だけでなく、ワークロード管理という視点で提供されている機能がVM Analyticsになる。これは、VM(仮想マシン)単位での運用管理を可能とするもので、例えば、あるVMのパフォーマンスが低下している場合、そのVMがどのストレージアレイにアクセスしているのかを即座に把握できるなどの運用管理の負担軽減を実現する。VM単位でのストレージ管理ということでは、先日国内での事業再開が発表されたTintriの取り組みが知られているが、Pure1ではVM Analyticsの機能を2018年9月に提供を開始したという。

VM Analytics機能のデモの様子。稼働中のVMとストレージ・ハードウェアを関連づけ、パフォーマンスや稼働状況を確認できる。現在はVMware環境のみ対応ということで、VMware vCenterの管理情報を参照しているようだ
VM Analytics機能のデモの様子。稼働中のVMとストレージ・ハードウェアを関連づけ、パフォーマンスや稼働状況を確認できる。現在はVMware環境のみ対応ということで、VMware vCenterの管理情報を参照しているようだ

 同社自身が既に、ストレージハードウェアの企業ではなくデータ管理ソフトウェアの企業だと公言している通り、今後ストレージベンダー各社がより上位のワークロードに注目し、ワークロードを最適な環境で実行するための支援を提供していくという方向性になると想定されるが、Pure1での同社の取り組みもそうした動きを示すものになるだろう。

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