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フラッシュ活用の高速リストア型データ保護基盤を開発--ピュア・ストレージ

渡邉利和

2019-03-15 09:16

 ピュア・ストレージ・ジャパンは3月14日、フラッシュストレージとクラウドの両方に対応するデータ保護プラットフォーム「ObjectEngine」を発表した。2019年前半の提供開始を予定している。

 ObjectEngineのベースになっているのは、2018年8月に買収した米StorReduceのクラウド対応のデータ重複排除技術で、以前からピュア・ストレージ製品ポートフォリオへの組み込みが予告されていたもの。アプライアンス版の「ObjectEngine//A」とクラウドソフトウェア版の「ObjectEngine//Cloud」の2種類が提供される予定だ。

「ObjectEngine」の概要
「ObjectEngine」の概要

 ObjectEngine//Aは、既存のバックアップソフトウェアなどと互換性のある重複排除処理専用エンジンと見なすことができる。既存のバックアップソフトウェアからは、バックアップデータを保存するためのバックアップストレージとして見えており、書き込まれたデータに重複排除処理を行った結果は、同社のFlashBladeなどのオールフラッシュストレージまたはクラウドストレージサービスのAmazon S3に直接書き込めるとする。

 FlashBladeを使った場合にはオンプレミスにバックアップデータを保存しておく形になるが、既に発表済みの同社のクラウド連携ソリューション「CloudSnap」などを活用することで、FlashBladeから、さらにクラウドにスナップショットという形でデータを移すこともできるようになるという。一方のObjectEngine//Cloudは、クラウド上に存在するデータを効率良くバックアップするための純正ソフトウェアソリューションと位置付けられる。

 代表取締役社長の田中良幸氏は、「日本市場でもブランドが認知されてきたという実感がある」と語り、同社製品を活用して顧客向けサービスを提供している企業の中に、「Powered by Pure Storage」といった形で同社製品を採用していることが積極的にアピールしているところもあるというエピソードを紹介。安心感や信頼感といったプラスのイメージが浸透しつつあるとした。

ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長の田中良幸氏
ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長の田中良幸氏

 製品の詳細について説明した米Pure Storage 戦略部門副社長のMatt Kixmoeller氏は、既存のバックアップソリューションの問題点として、「バックアップ速度のみを重視しており、リストア速度が低速のままになっている」と指摘した。

 例えば、古いバックアップの流れである「ディスクからディスク、そしてテープへ」では、バックアップ作業自体はディスク間のデータコピーとして迅速に完了できるが、テープに保存されたバックアップからリストアするには長時間を要する。最近利用が拡大している重複排除ストレージを活用したバックアップシステムでも、ストレージ自体は低コストで容量指向のHDDなどが利用されていることが多いため、重複排除されたデータから元のデータを復元するための負荷も含めると、やはりリストアには長時間を要する。

 ObjectEngineは、このバックアップとリストアの処理時間の不均衡という問題を解決することを目指した製品で、バックアップにもオールフラッシュストレージを活用、さらに低コストで容量指向のストレージとしてのクラウドを組み合わせた「F2F2C(フラッシュからフラッシュ、そしてクラウドへ)」というバックアップシステムを提案する。Kixmoeller氏は、人工知能(AI)などのデータ解析ニーズの高まりによって、バックアップデータに関しても単に保存するだけではなく、業務データに影響を与えることなく自由に分析などの処理を実行できる新たなレポジトリとして位置付ける企業が増えていることを指摘した。柔軟な活用が困難なテープアーカイブでは、こうしたニーズに応えられないとも強調した。

Pure Storage 戦略部門副社長のMatt Kixmoeller氏
Pure Storage 戦略部門副社長のMatt Kixmoeller氏

 加えて、同社のオールフラッシュストレージの中核製品「FlashArray//X」の「NVMe-oF(Non-Volatile Memory Express over Fabrics)」のサポート機能として「DirectFlashファブリック」が、Purity 5.2ソフトウェアに追加したことも発表した。

 NVMeは、PCIバスなどに接続されたSSDストレージに対してSATA/SASといった旧来のディスクアクセスプロトコル経由でアクセスするのではなく、本来のアクセス速度を生かせるよう直接アクセスするためのプロトコル。同社のストレージ筐体内部で活用されている。NVMe-oFは、このプロトコルをさらにネットワーク経由で利用できるように拡張したもので、ネットワーク接続されたサーバとストレージ間のデータアクセスを高速化できる。NVMe-oFの提供開始により、「従来ストレージアクセスの手段としてはファイバチャネル(FC)が最速で、Ethernetを利用したiSCSIはFCに劣るとされてきたが、Pure StorageはEthernet上でのNVMe-oFをサポートし、FCよりも高速なEthernetアクセスを実現した」(Kixmoeller氏)という。

 現時点でNVMe-oFは、まだ互換性検証がシビアな状況にあり、対応製品を自由に組み合わせてすぐに活用するという状況ではなく、個々に検証作業が必要な段階だという。そこで、同社がCisco Systemsと協力して互換性を検証した構成として「FlashStack」も公表した。同社製のFlashArrya//xと、Ciscoの「Cisco Nexus 93180YC-EX」「Cisco UCS FI6454」「Cisco UCS Cシリースサーバ」を組み合わせたコンバージド・インフラストラクチャとして構成されている。すぐにNVMe-oFの利用を開始したいユーザーは、この構成を採用することで検証の負担を軽減できるだろう。

シスコと共同検証した構成による「FlashStack」
シスコと共同検証した構成による「FlashStack」

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