インターネット銀行のソニー銀行(千代田区、従業員数498人)は、Salesforce上から帳票を設計、そのまま出力できる「SVF Cloud for Salesforce」を採用。必要とする帳票をユーザー部門主導ですぐに設計、運用できる体制を構築したという。10月2日、SVF Cloudを開発、提供するウイングアーク1st(港区)が発表した。
Microsoftのデータベース管理ソフト「Access」を活用し、顧客に書類を送る際の送付状、署名をもらう同意書、住宅ローン審査結果などの20種類ほどの帳票を出力。フォームへの個人情報入力、1枚ずつの印刷という高負荷の作業で作成していたという。
データは勘定系システムから夜間バッチで取得し、最新情報の反映まで1日のタイムラグが発生していたという。長期活用しており、システム統廃合の検討時期が来ていたとしている。
ソニー銀行では、2015年からカスタマーサービス支援システム「Service Cloud」を導入、連携できる帳票ツールを検討。帳票レイアウトがExcelで開発、修正できるツール「Excel Designer」や、他社での導入実績、サポート体制などを総合的に評価したという。
SVF Cloudは、Service Cloudと画面上から連携し、帳票の印刷までが可能。事業部約110人の社員、80人の業務委託スタッフで1カ月あたり200~300枚の帳票を出力しており、ITスキルにかかわらず使いこなせているという。
ユーザー部門主導で帳票を新規開発、修正できるため、消費税変更に伴うローン手数料の変更など、タイムリーに業務改善できるという。情報システム部門へ依頼していた帳票の新規開発に要する期間、コストも大幅に削減したとしている。
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SVF Cloud for Salesforceは、帳票をSalesforce上からボタン一つで出力、PDF、Excel、印刷、メールなどで利用できるSaaS。そのままの出力に加え、アドインを活用してデータを指定箇所へマッピングできるノンプログラミング帳票設計ツールのExcel Designer、「Cloud Designer」「Word Designer」などの機能があり、帳票デザインが簡単に作成、修正できるとしている。
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ポイント制を採用した6つの月額プランを用意。各プランに応じて1年間有効なポイントを付与するという。追加での購入も可能。最小のプランSは月額利用料金3万円。6プランともに初期導入費用として20万円が必要。そのほか、大規模利用を前提に実行環境をコンテナ化する、月額利用料金50万円からの専用プラン「Enterprise」も用意している。
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