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「顔を合わせなければコミュニケーションできない」は幻想 - (page 2)

なかむらアサミ (サイボウズ チームワーク総研)

2019-10-21 07:00

顔を合わせなければコミュニケーションできないは「幻想」

 リモートワークの推進に非協力的な方からは、「顔を合わせるのが大事」という言葉をよく聞きます。果たしてそれは本当でしょうか?

 もちろん、顔を合わせたことのない人と仕事をするのは困難です。ミシガン大学で行われた「分散されたチームの業績低下の予防策を検証する実験」を紹介しましょう。

 実験では、「A:全員が顔を合わせて作業をする」「B:いったん全員に顔を合わせてもらい、その後別々の場所で作業をする」「C:最初から別々の場所で作業をする」という3つのチームに分類。業績を比較したところ、結果はAチームの業績が最も高く、BチームはAと僅差、Cチームはダントツの最下位という結果になったようです。

 注目してほしい部分は、AとBの差は僅差、というところです。つまり、何度か顔を合わせてお互いをある程度知れば、あとは離れていても仕事に影響はない、ということです。Bはまさにリモートワークの状態といえるのではないでしょうか。

 日本の社会集団には「場」を強調する傾向があり顔を合わせた方がいい、という意見もありますが、実際に“会社に出勤しても部長は終日会議で顔を合わせない”という状況はよくあると伺います。「顔を合わせる」がどの頻度なのかは怪しく、大事な部分はその人を信頼できるかどうかといえるでしょう。「顔を合わせることが大事」は、とりあえず出てきた言い訳であり、「私は部下を信頼していません」と言っているようなものです。

BCP対策としてだけでなく、「幸福度」も高めるリモートワーク

 冒頭で話した台風による通勤行列は、自然災害の二次災害です。人的に避けようと思えば避けられる可能性があるといえます。

 ゲリラ豪雨や竜巻の増加、記録的な猛暑や豪雪など、様々な要因で自然環境が厳しく変化しています。それらに対する不安が根底にあるにも関わらず、さらに二次被害でストレスが倍増する状態はとても健康的とは言えないのではないでしょうか。生産性が落ちるのも明らかです。

 地震だけではなく、豪雨や台風などの局地的な被害もいつ我が身に起こるか分からない状況になりつつあります。「事業が継続できる」「働ける環境がある」といったことは、自分たちの生活に多くの安心感や未来への希望をもたらし、単なる事業継続計画(BCP)対策以上となることは想像に難くありません。日々の活動、生活を守る、そしてストレスフルな環境を削減する一環として、改めてリモートワークを考えてみてはいかがでしょうか。

 次回からは具体的な導入方法についてお話ししていこうと思います。

(第2回は11月上旬にて掲載予定)

なかむら アサミ
サイボウズ チームワーク総研 シニアコンサルタント

サイボウズに人事として入社。
その後、広報・ブランディングを経て、現在は、サイボウズの企業研修プログラム「チームワーク総研」にて、小学生から社会人まで幅広い層にチームワークを伝えている。
離職率高い時期の人事経験など、組織の風土が変わっていく様子を体感しており、風土改革の沿革やチームビルディングの話をする機会が多い。

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