ヌーラボは10月29日、プロジェクト管理ツール「Backlog」の新機能「カンバンボード」を予告するイベントを都内で開催した。新機能は11月から一部で先行リリースするが、2020年1月からの広範囲のベータ版リリースを予定している。
ユーザーのフィードバックや利用傾向をもとに機能を改善し、正式リリースに至る予定だ。フリープランを含む全プランで利用可能。
ヌーラボ 代表取締役 橋本正徳氏
方法論としての「カンバン」はDavid Anderson氏が提唱しているが、古くはトヨタ自動車のトヨタ生産方式などプロセスを最適化する手法として広く知れ渡っている。ソフトウェア開発の文脈で見ればリーン開発やアジャイル開発など枚挙に暇がない。
当初はエンジニア向けバグ管理ツールだったBacklogも、現在では事務職やデザイナー、マーケターなど多様な職種の利用割合は50%以上を占める(エンジニアの使用率は41.62%)。Backlogを開発するヌーラボ代表取締役 橋本正徳氏は「(エンジニアから)遷移したのではなく、利用層が広がった。(現在は)『非エンジニアでも使いやすく』を心掛けている」と語る。
新たに実装するカンバンボードは、「未対応」「処理中」「社内レビュー」「テスト中」「処理済み」といったワークフローに応じた列に、作業内容となるタスク(課題)が並ぶ。優先順位は上下に入れ替えることで変更し、進捗状況に応じてタスクを他の列にドラッグ&ドロップし、「プロジェクトマネージャーなら全体の俯瞰が可能。マイルストーンごとに(進捗状況を)把握できる。担当者も(フィルタリング機能で)割り当てられたタスクが一目瞭然」(ヌーラボ サービス開発部 Backlog課 藤田正訓氏)だ。
ヌーラボ サービス開発部 Backlog課 藤田正訓氏
ヌーラボはBacklogの利用者層拡大を踏まえ、「他業種の方々やITが苦手な方でもチームワークに参加できるように心掛けた。Backlogに慣れた方は飛躍的に効率が上がり、タスク管理に割く手間と時間を削減できる」(藤田氏)と新機能をアピールした。なお、トヨタ方式など一般的なカンバンと新機能は異なり、Anderson氏が提唱するプロセスをすべて満たすものではない。
以前からBacklogが供える大きな課題を小さな課題に分割する“親子課題”はカンバンボード上ではフラットに表示し、フィードバックを踏まえて改良するか考慮するという。また、Backlog APIは従来通り利用可能だが、タスクの並び替えに関するAPIは後日リリースする予定だ。
カンバンボードのデモンストレーション