コニカミノルタ:4月から新シリーズ投入--専用サービスで働き方改革を支援

藤代格 (編集部)

2019-11-06 07:00

 日本全国でペーパーレス化が進みつつあるが、紙をなくすことはできないと考えている方も多いのではないだろうか。デジタル化したファイルで事足りたり、コンビニなどを活用して外で印刷できる機会も増えたりしているとはいえ、出力機器が皆無というオフィスはまだまだ少ない。

 カラーかモノクロか、顔料やプラスチック粒子でできた粉末で構成するトナーを紙に転写する“レーザープリンター”か、液体インクを用紙に直接噴射する“インクジェットプリンター”か、はたまたコピーやスキャンといった印刷以外の機能も備えた“複合機”なのか。いくつかの選択肢はあるが、いずれにせよ紙にできるなんらかの出力機器はあるはずだ。

 ここでは、一般的なオフィスでの活用を想定し、特長やラインアップなどをベンダーごとに紹介していく。第4回はコニカミノルタ。

 1873年、写真や石版材料などの販売事業から開始した小西屋六兵衛店をルーツとするコニカと、国産カメラの製造を創業事業に1923年に立ち上がった日独写真機商店がルーツのミノルタの経営統合により、2003年に誕生したコニカミノルタ。複合機を含む情報機器のブランドとして“business”と“hub”を組み合わせた「bizhub(ビズハブ)」シリーズを展開している。

カラー複合機のラインアップ(出典:コニカミノルタ)
カラー複合機のラインアップ(出典:コニカミノルタ)

 2019年4月には、複合機をコピー、スキャン、ファクスを操作する“箱”ではなく、ITサービスを利用する“タッチポイント”と位置付ける新ブランド「bizhub i」シリーズを発表。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進するという。

複合機「bizhub C360i」(出典:コニカミノルタ) 複合機「bizhub C360i」(出典:コニカミノルタ)
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 パネルやドライバーを直観的かつ分かりやすいユーザーインターフェース(UI)に刷新。リモートで常時監視、保守しつつ、アプリケーションのアップデートを自動提供。最適な状態を維持しつつ、バックアップデータからの復旧もできるという。

 ラインアップは計6機種。複合機はA3カラー、税別価格160万円の「C360i」、139万円の「bizhub C300i」、125万円の「C250i」、A4カラーで74万8000円の「C4050i」、24万8000円の「C3320i」の5機種。また、22万3000円のA4カラーのプリンター「C4000i」がある。

 C3320iを除く複合機では、クラウドとの接続制も強化。必要な機能、連携するクラウドアプリケーションなどをアプリストアからダウンロードできる。ユーザー認証とも連携し、各個人に必要なもののみが表示可能。ITの専門知識がなくても複合機から必要なITサービスを利用できるとしている。

 ルーマニアのセキュリティベンダーBitdefenderのスキャンエンジンを搭載し、マルウェアを検知した場合、ファイル削除などを自動処理。複合機への感染、PCやサーバーといったその他機器への拡散を防止するという。

勝負はサービス--“作業じかん”を減らすお手伝いを

3つの時間に大別(出典:コニカミノルタ) 3つの時間に大別(出典:コニカミノルタ)
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 機器そのものでは差がつきにくいと捉えているというコニカミノルタでは、働き方改革を柱に顧客の企業価値向上につながるサービスの提供を目指していると説明。働く人の時間を仕事をこなす“作業じかん”、アイデアを出す“創造じかん”、学びや休みなどプライベートも含めた“自分じかん”の3つに大別。作業の削減、創造、自分じかんを向上させる「いいじかん設計」を支援するサービスとして提供しているという。

桑名氏
桑名氏

 コニカミノルタの複合機、プリンターなどの国内販売を担うコニカミノルタジャパンでマーケティング本部 オフィス事業統括部 統括部長を務める桑名義宗氏は「働き方改革はあくまで手段。法律を遵守する、人材不足を解消する、生産性が向上する、といった最終的な効果の提供が目標」と結果重視の姿勢を強調。まず自社で実践し、ノウハウや経験をため込んだ上で提供していると説明する。

 コンサルティングやオフィスのデザイン、アウトソースとしての請負など総合的に提供するなか、文書管理という面では特徴的な3つのサービスがあるという。

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